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キヤノン工事:見返り受注でも5億9千万円 鹿島側から

キヤノン工事を巡る大光グループの脱税の構図
キヤノン工事を巡る大光グループの脱税の構図

 法人税法違反容疑で逮捕されたコンサルタント会社「大光」(大分市)社長、大賀規久容疑者(65)の経営するグループ企業が、大手ゼネコン「鹿島」(東京都港区)などからキヤノン関連工事を03年以降、少なくとも14件計約5億9000万円受注していたことが分かった。キヤノン工事受注の見返りとみられ、裏金やコンサルタント料に加え、鹿島からの新たな利益提供が判明した。東京地検特捜部は不正蓄財の原資とみて追及している模様だ。

 関係者によると、総額約824億円に及ぶ大型プロジェクト工事受注に成功した鹿島に対し、大賀容疑者側は一部工事を大光グループに発注するよう依頼。さらに、電気設備工事大手「九電工」(福岡市)や造園工事会社「内山緑地建設」(福岡県久留米市)を下請け業者として推薦し、この2社を介した受注も求めて鹿島側が応じた。

 大光グループが大分県などに提出した工事経歴書によると、建設関連会社「ライトブラック」(大分市)は、鹿島からデジタルカメラ生産子会社「大分キヤノン」の大分事業所(同)塗装工事など4件約6300万円を受注。内山緑地建設からは研究施設「キヤノン矢向(やこう)事業所」(川崎市)フェンス工事など7件約3億5500万円を受注し、受注総額は11件約4億1800万円。

 一方、大光は九電工から大分キヤノン大分事業所の厨房(ちゅうぼう)設備工事を約4900万円で受注。鹿島、内山緑地建設からもフェンス工事などを1件ずつ受注し、3社から計約1億8000万円の工事を請け負った。

 工事経歴書に記載のない工事もある。大分県土地開発公社が05年、2期に分けて発注したプリンター関連生産子会社「大分キヤノンマテリアル」用地(大分市)造成工事を45億1500万円で受注した鹿島は、一部を内山緑地建設に下請け発注。さらにその一部がライトブラックに2次下請け工事として発注されていた。ライトブラックは別の会社に工事を丸投げした疑いがあり、脱税に協力したとして内山緑地建設取締役、望月敏生容疑者(52)が10日、逮捕された。

 特捜部は、大賀容疑者が工事代金や十数億円のコンサルタント料、7億円超の裏金などで総額30億円超を不正蓄財。キヤノン株購入などに充てていたとみている。

毎日新聞 2009年2月12日 2時30分(最終更新 2月12日 2時30分)

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