2007-11-22
サルトルをめぐる思想界の仕手戦
|サルトルは、20世紀最大の哲学者です。かつては世界中で大人気のスーパースターだったんですが、70年代くらいから次第に影響力が衰え始めていきました。それでも末端の「はてなダイアラー」なんかに比べれば超大物であったことは否定すべくもないのですが、一時は脚光を浴びていたスターが萎んでいくのを見るのは侘しいものです。
ところがどっこい!
僕の友人の友人はアルカイダです。その人の友人の友人は、やはりアルカイダです。その人の友人の友人は、やはりアルカイダです。で、このアルカイダの方の趣味が、哲学なんだそうです。爆弾を作ったりする合間に『実践的理性批判』を読みふけったりするそうです。
闘争資金を確保するために この方が思いついたのが、思想界における相場操縦です。彼は、サルトルが大ブレークすると確信しています。
常に死と直面しながら哲学書を読みまくっている人が言うことなんだから、まあ、本当でしょう。
実は、このサルトルをめぐる仕手戦は、既に始まっています。たとえば、↓をご覧ください。
サルトルの入門書です。入門書と言えば、まず安いこと、そしてわかりやすいことを求めたいですよね。
僕はこの本を読みましたが、とても面白かったです。というか、これだけ理解してしまえばサルトル自体は読まなくてもいいような気がしてきたほどです。
サルトルブームはもう始まっています。人文系はてなインテリの皆さん、遅れをとりたくなかったら『図解雑学 サルトル』を買いに走ってください。
と、言おうと思ったら、この本、もう売り切れてしまったようですね。普通には買えません。ライバルに先を越されました。人文系院生のあなた。いつも最新の哲学動向についての知識をひけらかしているイケスカナイ野郎があなたのゼミにもいるでしょ。あいつが買い占めたに違いありません。
でも、良い時代になったものです。新本が売切れていても、ネットで簡単に古本を検索できるわけですから。
Amazonのマーケットプレイスに『図解雑学 サルトル』が出品されていないかチェックしてみましょう。下のURLをクリックしてください。
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4816335463/toled-22/ref=dp_olp_1
な、なんじゃこりゃ―!!
スゴイことになっていますね。最安値が7,000円って。。。しかも、「表紙にスレとキズと、背表紙に色あせがあります。中身端が日焼けしています」という条件でそのお値段。
これは陰謀です。サルトルが大ブレークすることを見越して、アルカイダ系仕手筋が買い集めているのです。
サルトル復活が世間の周知するところとなってからでは手遅れです。その頃には『図サル』は700万円くらいになっているでしょう。
恐るべしアルカイダ。ウェルカムバック、サルトル。
特に、人文系大学院生の皆さん、注意してください。あと3年したら、サルトルは必修キャラになっています。デリダもフーコーもレヴィナスも目じゃありません。これら全てを足して、さらに100倍したとしても、巨人・サルトルの足元にも及びません。3年後の思想界では、どんなに一所懸命に書いた論文も、「サルトル」の一語が入っていなければ自動的に没です。逆に、今からしっかりとサルトルを勉強しておけば、安泰です。文学部サルトル学科に めでたく就職できます。
え? 自分の周りにはサルトルの話なんかする奴はいない。本当にサルトル・ブームなんか来るのか、って?
だからあなたはいつも置いてけぼりをくらうのです。あなた以外の全員は、今、必死でサルトルを読んでますよ。でも、ライバルに先を越されたくないがために、ゼミの発表では「ホモ・サケル」がどうしたとかっていうようなカモフラージュネタを使っているのです。
今すぐ、サルトルの勉強を開始してください。幸いにも(というか、これは偶然ではないんですが)、サルトルの大著『存在と無』がつい最近文庫化されました。
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- 作者: ジャン=ポールサルトル, Jean‐Paul Sartre, 松浪信三郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11
- メディア: 文庫
文庫であるのにも関わらず、1,890円です。ぼったくり価格です。通常ならばこんな値段で売れるはずはありません。そこを強気の価格設定。出版社も、「情報」を掴んでいるのかもしれません。
さて、サルトルと言えば自由の哲学です。しかしそれはネオリベ(新自由主義)の「自由」なんかとは全然違います。そのことを、このブログでも書いていきたいと思っています。ただ、実は『存在と無』をまだ読んでません。読んだら書きます。
とりあえずの入り口としては↓がお勧めです。
大体、随分前からサルトルの名前が出るときは悪い比較対象としてだけで、明らかに買い叩かれていました。かわいそう。22世紀かもしれませんが、来ます。
ページ63
『私はこの点でカントの考え方を受け継いでいるのは、『存在と無』の時期のサルトルだと思います。先にいったように、サルトルは構造主義者に批判されましたが、デカルト的主体や自由意志を主張したのではありません。カントが自由を義務として見たのに対して、サルトルは「人間は自由という刑に処せられている」といったのです』
そういえば、Mrマリックも前から「来てます」と言い続けています。
つまり、「いよいよ」ってことですか。
サルトル来ますよね。
> 22世紀かもしれませんが、来ます。
読解スピードが超遅い僕は今世紀中に読み終えることができるかどうか不安ですが。。。
> イオさん
へー、柄谷行人も引用してるんですね。
> つまり、「いよいよ」ってことですか。
ですね!
といっても、この値段じゃ誰も買ってくれないでしょうね……。
でもサルトル来ますよね!
……問題は、ナツメ社さんがその流れを読んでくれるかどうかなんですけど……。
を今図書館サイトで予約しました。
練馬区で9冊の所蔵。
『図解雑学 サルトル』
も予約しました。
こちらは練馬区で、4冊。
少なくとも練馬区レベルでは、ツネノさんのほうが「きてます」
誰もが周りの様子をうかがって、飛び出すタイミングを窺っているその対象は、サルトルではなくて、ツネノさんかもしれません。
決して誰も口には出しませんが……
いささか気になったのは、それぞれ、予約も貸し出し中も、無かったということ。
(まあ、そのおかげで、しあさってには借りる事ができます)
♪来る、来ない、帰らない、あなたー♪
(ひなげしの花 アグネス・チャン)
たぶんCIAが人工衛星からある種の振動を練馬区民にあたえて、脳細胞レベルで、ある種の本(サヨク?)に対する読書欲?を低下させているのに違いありません。
至急対策を。
> 至急対策を。
大丈夫です。実は脳細胞レベルで本の内容をインプットしたのです。だからもう読む必要さえありません。サルトル世界制覇に向けて、順調に事態が推移しているようです。