【ジュネーブ=藤田剛】スイス金融大手のUBSが10日発表した2008年12月期の通期決算は、197億スイスフラン(約1兆5400億円)の最終赤字となった。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の損失処理や世界的な株価の急落が主因。赤字額は前の期(52億スイスフランの赤字)の約4倍に膨らみ、同社の通期決算では過去最悪となった。
同時に発表した08年10―12月期決算の最終損益は81億スイスフランの赤字。経営悪化を受けて10―12月期には預かり資産などから858億スイスフランの資金が流出した。資金の流出額は08年通期では2260億スイスフランに達した。
UBSはスイス政府から60億スイスフランの公的資金の注入を受けて経営再建中。
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