これ、俺ならこう使う(6)
iPhoneアプリケーションを
App Storeに登録してみた
立薗理彦
2009/2/10
App Storeに登録するまでの手順。プロビジョニングプロフィールの作成やiPhoneへのインストール、アプリをビルドするときの注意点などを説明します
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前回の記事「App Store登録もOK! JavaScriptで作るiPhoneアプリ」からずいぶん時間がたってしまいました。実は年末に筆者のかかわる音楽ニュースサイト「ナタリー」の大規模なリニューアルがあり、そのほかの仕事も含めていままでにない忙しさだったのですが、それにしても2カ月はひどい。今年はちゃんと月1で記事を書けるようにしたいところです。2月にもなって今年の目標を書くのもどうかと思いますが。
さて、今回は前回に引き続きiPhoneでのアプリ開発について書きます。実際にiPhone上で動くバイナリの作成、App Storeへの登録を行ってみました。
インストール可能なアプリを作成するための準備
iPhoneはアプリの管理が比較的厳しく行われており、作成したアプリを単純にコピーするような方法ではインストールを行えません。
証明書の作成、開発者の登録、開発用デバイスのID登録、プロビジョニング(準備)ファイルの作成とインストールを経て「iPhoneにインストールできるバイナリ」を作成しなければなりません。
ここでは、必要な作業の流れをざっくりと紹介します。
※下記の作業は、CSRの作成を除いてアップルのiPhoneデベロッパ向けサイト「iPhone Developer Program」上で行います。
iPhone Developer Program Portalからスタート |
□ 開発者登録
まずは、開発者登録をします。個人デベロッパとして登録している場合、開発者は1人だけです。
YourTeamに開発メンバーを登録 |
証明書の作成と登録
Mac OS Xに付属の「キーチェイン・アクセス」を使って、Certificate Signing Request(CSR)を作成します。
作成したCSRファイルをiPhone Developer Programのサイトにアップロードします。投稿されたCSRは管理者メンバーが承認するのですが、今回は個人としての登録のため自分でリクエストして自分で承認を行います。
メンバーには、Certificate Signing Request(CSR) |
□ デバイスIDの登録
iPhone/iPod touchには端末ごとに異なる固有IDがあります。開発中のiPhone用アプリを自分のiPhoneやiPod touchにインストールするためには、デバイスIDを登録する必要があります。デバイスIDはiTunesやiPhone SDKに付属のオーガナイザで調べることができます。
「Current Registered Devices」に開発中のアプリを動作させるiPhone/iPod touchには端末ごとに異なる固有IDを入力 |
□ アプリケーションIDの登録
次に必要なのはアプリに固有のIDです。ほかと衝突しなければOKなのですが、いわゆる「リバースドメイン」形式が推奨されているので素直に従います(手続き絡みでは、少しの間違いでアプリのインストールができなくなったりするので、できるだけ無難な選択肢を選ぶことをお勧めします)。リバースドメインとは、例えば「jp.co.atmarkit.iphoneapp」のようになります。
「App IDs」にアプリケーションに固有のIDを入力。「jp.co.atmarkit.iphoneapp」のようなリバースドメイン方式が好ましい |
プロビジョニングプロフィールの作成とiPhoneへのインストール
プロビジョニングプロフィールは、ここまでの手順で登録してきた「開発者」「デバイス」「アプリケーション(ID)」をひとまとめにして、許可されたデバイスに許可されたアプリをインストールできるようにするためのファイルです。開発用、App Storeでの配布用それぞれ別々のプロフィールが必要になります。
「Development Provisioning Profiles」で、許可されたデバイスに許可されたアプリケーションをインストールできるようにするためのファイルを作成。開発用、App Storeでの配布用の2タイプが必要 |
iPhone Developer Centerで作成したプロビジョニングプロフィールを「Download」をクリックして手元のMac OS Xにダウンロードし、Xcodeにドラッグ&ドロップしてインストールします。
その後でiPhone/iPod touchをMac OS Xに接続、オーガナイザからProvisioningセクションの「+」ボタンをクリックしてインストールしたプロフィールを選択、デバイスへのインストールを行います。
プロビジョニングプロフィールを「Download」してデバイスにインストール |
これで、iPhoneに自作アプリをインストールする準備が整いました。いよいよ、iPhone用にアプリをビルドします。
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INDEX | ||
これ、俺ならこう使う(6) iPhoneアプリケーションをApp Storeに登録してみた |
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Page1 インストール可能なアプリを作成するための準備 証明書の作成と登録 プロビジョニングプロフィールの作成とiPhoneへのインストール |
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Page2 iPhone上で動作するアプリをビルドする App Store登録用にアプリをビルドする App Storeにアプリを登録してみる |
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Page3 App Store登録のための審査について 思わぬところでつまずいているアプリ開発者へ おまけ:Palmが新OS webOSを発表、JavaScript+HTMLでアプリ開発 |
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