ニコニコ動画 ( SMILEVIDEO ) に高品質にアップするためのメモ(上級編)です。
なお ニコニコ動画まとめWiki さんを参考に画像を入れて説明しています。
手短に行う人の初級編(静止画系向け)はこちら
0. ニコニコ動画の制限
1. 元の動画の作成(初級編と同じ)
2. 環境構築
3. AviUtl を利用した avi と mp3 の作成
3-1. AviUtl の設定
3-2. バッチ作成
3-3. バッチ実行
4. FLV ファイルの作成
5. 参考サイト
0. ニコニコ動画の制限
ニコニコ動画では公式に発表されているものいないものといくつかの制限があります。
世間一般で公になっている制限(2007.10.31現在)をメモしておきます。
1. 元の動画の作成(初級編と同じ)
まずはニコニコ動画にアップする動画の元となる動画を作成します。
ここでは Windows XP, Vista に標準でインストールされている Windows ムービーメーカーを利用して作成します。
※画面は Windows Vista Business のものです。
Windows ムービーメーカーで動画の編集作業が終了したら WMV 形式で動画を出力します。
[ファイル] - [ムービーの発行] で出力先とファイル名を指定します。
後で FLV に変換する際にファイルの出力設定を変更する必要があるので、
基本的に出力するファイルの設定は「コンピュータの最高の品質で再生」として自動で計算させればよいと思います。
ただし大は小を兼ねるということで以下の設定以上を推奨いたします。
ビットレート : 不変、もしくは 400 Kbps 以上
表示サイズ : 640 * 480 以上
縦横比 : 動画による
フレーム/秒 : 30
※画面は Windows Vista Business のものです。
Windows ムービーメーカーは出力設定の各値を自分で設定することができないので見極めは難しいです。
追加の設定で行う場合は Windows XP と Vista で選択肢が異なります。
また動画にもよってくると思います。
2. 環境構築
FLV 形式の動画ファイルを作成するために必要な環境を構築します。
まず以下のツールをダウンロードします。( 2007/10/31 )
AviUtl ( aviutl99.zip )
WMV から AVI に変換に利用。
http://ruriruri.zone.ne.jp/aviutl/
DirectShow File Reader プラグイン for AviUtil ( ds_input023.lzh )
AviUtl で WMV を読み込むためのプラグイン。
http://www.tenchi.ne.jp/~yoko/aviutl/index.php?DirectShow%20File%20Reader%20%A5%D7%A5%E9%A5%B0%A5%A4%A5%F3%20for%20AviUtl
VP6 VFW Codec ( vp6_vfw_codec.exe )
VP6 2pass にエンコードするためのコーデック(変換するためのソフト)です。
http://cowscorpion.com/Codec/VP6VFWCodec.html
AviUtil 画像反転プラグイン ( rotate-0.3.0.lzh )
ffmpeg で上下が反転する問題を解決する AviUtil プラグイン。
http://www.marumo.ne.jp/auf/#rotate
AviUtil Lanczos 3-lobed 拡大縮小プラグイン ( lanczos3-0.5.2.lzh )
動画の画像サイズ拡大・縮小するプラグイン。
http://www.marumo.ne.jp/auf/#lanczos3
AviUtil 黒ベタ追加フィルタプラグイン ( beta.zip )
動画の縦横に黒ベタを追加し、サイズをリサイズするプラグイン。
http://cwaweb.bai.ne.jp/~icchan/file/plugins/beta.zip
LAME 3.97 ACM Codec ( lameACM-3.97.zip )
音声を mp3 に変換するためのコーデックです。
http://www.rarewares.org/mp3-lame-dshow-acm.php#lame-current-acm
flvenc ( flvenc.zip )
ffmeeg のファイルセットで flv を作成するために必要なものが詰まっています。
http://tokyo.cool.ne.jp/keinw/
インストール方法は一部のみ抜粋します。
-- AviUtl, DirectShow File Reader --
両ソフトとも実行ファイルの圧縮となっているため展開するだけで ok です。
展開した AviUtl のフォルダに DirectShow File Reader の ds_input.ini と ds_input.aui を移動します。
-- AviUtl 各種プラグイン --
展開すると拡張子 auf のファイルが作成されるので AviUtl のフォルダに移動します。
-- VP6 VFW Codec --
vp6_vfw_codec.exe を実行し VP6 VFW Codec をインストールします。
[Next] を押下します。
ライセンス(使用許諾条件)の承諾画面です。
[Yes] を押下します。
コーデックのインストール先を選択します。
特に変更する必要はありません。
選択後 [Next] を押下するとインストールが始まります。
# [Yes] じゃないんだ・・・・
インストール中ですが Windows Vista だからか 0% のままです。
Windows XP での確認はしていません。
インストールが無事に終了しました。
[Finish] で終了します。
-- LAME 3.97 ACM Codec --
lameACM-3.97.zip を展開すると LameACM.inf と lameACM.acm と lame_acm.xml の3つのファイルが作成されます。
LameACM.inf を右クリックして、メニューからインストールを選択します。
正常に終了していれば特に何も表示されません。
エラー画面のようなものが表示されなければ問題ありません。
-- flvenc --
flvenc.zip を展開するだけです。
3. AviUtl の利用した avi と mp3 の作成
3-1. AviUtl の設定
AviUtl を利用して VP6 2pass の avi ファイルと mp3 を作成します。
ここでは wmv ( dotnetradio_000.wmv) を変換します。
AviUtil を wmv を読み込ませます。
aviutl.exe に wmv をドラッグ&ドロップします。
(マウスの左ボタン押下したまま wmv を aviutl.exe の上に重ね、左ボタンを放す)
ここで wmv ファイルが読込めない場合は DirectShow File Reader プラグイン for AviUtil が正しくない場合があります。
配置場所の確認や再度ダウンロードして配置しなおしてみてください。
次に各プラグインの設定をします。
メニューの設定を開きます。
先ほど AviUtil のフォルダに配置した3つのプラグインの設定をします。
ポップアップメニューから配置したプラグインを選択するとプラグインの選択画面が表示されます。
-- Lanczos 3-lobed 拡大縮小設定 --
右上のチェックボックスにチェック入れてニコニコにアップするサイズに変更します。
投稿する動画の縦横比によってサイズが異なります。
アスペクト比 4 : 3 であれば X : 512, Y : 384、アスペクト比 16 : 9 であれば X : 512, Y : 288 とします。
-- 画像回転の設定 --
右上のチェックボックスにチェックを入れて上下反転にチェックを入れます。
ffmpeg のバグ?で画像が反転してしまうため作成する avi も反転させます。
-- 黒べた追加フィルタの設定 --
右上のチェックボックスにチェックを入れて上下左右の黒べた幅を設定します。
黒べたを追加する必要がなければ設定する必要はありません。
プラグインの設定が終わったら利用するフィルタを設定します。
今回は画像サイズをニコニコ動画のサイズに変更し回転する必要があるので、
Lanczos 3-lobed 拡大縮小 と 画像回転 を選択します。
変更すると AviUtl 上の画面で反映されます。
動画によってはサイズが大きくなってしまったり静止画中心であったりするものもあるため、
フレームレートを変更して動画に適した形に変更します。
フレームレートとは1秒間に流すコマ(静止画)数のことで動きの激しい動画の場合、
フレームレートの設定によって動画の質やデータ量が大きく変化します。
静止画中心の場合は前と今のコマが同じ画像とみなされデータ量縮小のため無視されます。
しかしエンコードの CPU 負荷やコマごとに情報を持つ可能性もあるため不用意に高くする必要はありません。
例えば「ニコニコ専用ラジオ」であれば静止画が中心になるためフレームレートは最低の 10 に設定します。
3-2. バッチの作成
avi や mp3 を作成するためには複数のステップを踏む必要があります。
特に avi ファイルの作成は品質を向上させるために1回目は解析のための avi 作成、
2回目は解析結果を基にした avi 作成処理を行います。
そのために AviUtl のバッチ機能を利用して複数のステップを自動化して実行します。
-- Two Pass - First Pass --
1回目の解析のための avi ファイルの作成を行うためのバッチを登録します。
[ファイル] のポップアップメニューから [AVI出力] を選択します。
[AVI出力] を選択すると上のような出力設定画面が表示されます。
各入力項目を画面で設定してあるとおりに設定します。
ファイル名 : eizou1
ファイルの種類 : AviFile (*.avi)
再圧縮無し : チェック無し
音声無し : チェック
ファイル名は後のとの便宜上、同じものを設定したほうがよいです。
また音声は後で mp3 と合成するため音声無しにチェックします。
[ビデオ圧縮] ボタンを押下してビデオ圧縮の設定を行います。
圧縮プログラムのリストで VP62 Heightened Sharpness Profile を選択します。
リストにこの項目が存在しない場合は VP6 VFW Codec が正しくインストールされていない場合があります。
インストールし直してみてください(コーデックを削除してからインストール)。
選択したら [設定] ボタンを押下します。
[設定] ボタンを選択すると上の VP6 の設定画面が表示されます。
Mode には必ず Two Pass - First Pass を設定してください。
数値を指定する箇所は各自で設定してください。
特に Bitrate と Max Frames Btw Key は変換元データやフレームレートに依存します。
Bitrate : 1秒間に利用する(最大)データ量
Mode : Two Pass - First Pass
End Usage : Local File Playback
Material : Progressive
Noise Reduction : 0
Sharpness : 7 (デフォルト値)
Auto Keyframe : チェック
Max Frames Btw Keys : キーフレームの最大間隔(10 秒となる フレームレート * 10 がベストらしい)
Bitrate の適切な値の設定は慣れが必要なため何度も繰り返してみることをおススメします。
ただしニコニコ動画の制限を越えないように最大でも音声と合わせて 600 程度になるようにしましょう。
また動画のデータサイズが 40MB のため長い動きの激しい動画は Bitrate は落とす必要があります。
設定が完了したら [OK] ボタンを押下します。
ビデオ圧縮の設定画面に戻るため [OK] ボタンを押下します。
avi 出力の設定画面に戻ったら設定項目を確認して [バッチ登録] ボタンを押下します。
保存ボタンは avi 出力が行われてしまうので押下してはなりません。
-- Two Pass - Second Pass - Best Quality --
1回目の解析処理を元に avi ファイルを作成するためのバッチを登録します。
[ファイル] のポップアップメニューから [AVI出力] を選択します。
1回目のときと基本的には変わりませんが、ファイル名を eizou2 とします。
1回目と同じように [ビデオ圧縮] -> [設定] と進んでいきます。
VP6 の設定画面では Mode で Two Pass - Second Pass - Best Quality を選択します。
他の項目は1回目(Two Pass - Second Pass)と同じにする必要があります。
設定が終わったら [バッチ登録] ボタンを押下します。
-- mp3 作成 --
3回目に mp3 を作成するためのバッチを登録します。
[ファイル] のポップアップメニューから [WMV出力] を選択します。
[WMV出力] でも [AVI出力] と同じ画面が表示されますが、ビデオ関係の設定ができません。
[WMV出力] ですが mp3 を出力することが可能です。
ファイル名 : onsei.mp3
ファイルの種類 : AllFile (*.*)
再圧縮無し : チェック無し
ファイルの種類を AllFile として、ファイル名を onsei.mp3 とします。
次に [オーディオ圧縮] ボタンを押下して音声ファイルの設定を行います。
mp3 を出力するための設定をします。
形式 : MPEG Layer-3
属性 : 動画の音声の形式
形式のリストボックスに MPEG Layer-3 がない場合は、
LAME 3.97 ACM Codec が正しくインストールされていない場合があります。
インストールをし直してみてください。
属性は各動画ごとの音声ファイルによってことなります。
動画のデータサイズに問題がなければ動画の音声と同じものを選択したほうが音質的にはよいと思います。
設定が完了したら [OK] ボタンを押下して設定を完了し、[バッチ登録] をします。
3-3. バッチ実行
登録したバッチを実行します。
[ファイル] のポップアップメニューから [バッチ出力] を選択します。
[バッチ出力] 画面が表示されます。
先ほど登録したバッチ(の出力ファイル)が表示されているため確認してください。
何か1つでも表示されていない場合は登録しなおしてください。
確認して問題がなければ [開始] ボタンを押下します。
次々にバッチが実行されます。
個人的な感想としてソフトがマルチコアに対応しているためデュアルコア以上の CPU で力を発揮します。
同じ Windows でも Vista と XP ではマルチスレッド管理の性能が違うと思うので速度に影響が出るかもしれません。
(実際、デスク向け Pen4 3GHz (XP) よりもノート向け Core 2 Duo T7200 (Vista) のほうが速い)
処理時間は動画やマシンスペックに依存しますが、2007.10.31 の時点ではデスクトップ向けの
デュアルコア以上の CPU を利用していなければ結構な時間がかかります。
特にビデオの方の高圧縮しようとするとノート向け Core 2 Duo T7200 でも2時間くらいはかかります。
動画によってはもっと長いかもしれないし、短いかもしれません。
少なくともノート向け Celeron だと・・・・
実行が完了すると eizou1.avi , eizou2.avi , onsei.mp3 の3つのファイルが作成されます。
4. FLV ファイルの作成
avi と mp3 が作成されたら eizou2.avi と onsei.mp3 を flvenc フォルダに移動します。
同じフォルダに ffmpeg.exe などがあります。
eizou2.avi と onsei.mp3 の両ファイルを選択し、FLV_ffmpegmux_D&D.bat にドラッグ&ドロップします。
↓
avi と mp3 を合成して flv ファイルを作成します。
処理が終了すると avi ファイルと同名の flv ファイルが作成されます。
ニコニコ動画まとめWiki さんでは以下のバッチが公開されております。
@echo on
cd /d "%~dp0"
ffmpeg -y -i onsei.mp3 -i eizou2.avi -acodec copy -vcodec copy gouseifile.flv
pause
exit
ファイルにしたものを置いておきますのでダウンロードしてください。
gousei.bat を実行すると eizou2.avi と onsei.mp3 を合成して flv ファイルを作成します。
avi と mp3 のファイル名が異なる場合はファイル名を変更するか gousei.bat のファイル名の記述を変更してください。
「続行するには何かキーを押してください...」と表示されると FLV の作成は終了しています。
動画のデータサイズが Lsize、ビットレートが bitrate に表示されます。
ニコニコ動画の制限を越えていないのであれば問題ありません。
これで FLV ファイルが作成されたためニコニコ動画にアップしましょう。
5. 参考サイト
ニコニコ動画まとめwiki エンコード設定
トップ
Copyright (C) From 2007 dotnetradio, All rights reserved.