いまや安全と言い切れる場所はないと言われるほど、いろいろな場所で犯罪が起きています。しかし、専門家は犯罪が起きる場所は予測できるといいます。そんな、危ない場所に見分けるノウハウをまとめてみていきましょう。
■公園のゴミ置き場、トイレ……他人に無関心な危険
まずは、街全体を見回してください。個人の住宅やマンションではなく、公園や道路、学校の敷地内、高架下など、公共の場の様子を観察してみてください。特に分かりやすいのは公園です。ゴミ箱に家庭ゴミが捨てられ、散乱していたり、トイレが汚れていたりする場合には、社会のルールを守らない人が多いことが推察できます。また、ルール違反に注意を呼びかけることもなく、住民同士が互いに無関心であることも想像できます。
こうした街では、子どもが不審者に声をかけられていても、それに気づく人がいません。侵入先を物色している人が家を伺っていても不審には思われません。空き巣が侵入を諦める大きな要因のひとつに、周囲の人に見とがめられる、声をかけられるというものがありますが、他人に無関心な街では、そうした周囲からの監視機能は期待できません。何かあっても、周囲の人が助けてくれない、そんな危険があるというわけです。
郊外で路上駐車が多い場所も不審者が紛れやすいという意味で危険。侵入盗犯は、駅近くでは公共交通機関を利用しますが、郊外では車を利用するからです。特に、1日以上、長期にわたって停めてある車が多い場所は、注意が必要です。
また、学校の敷地内、通学路が汚れていたり、荒れた印象があったりする場合には、校内に何か問題があることが考えられますので、注意が必要。学校を訪問するなどして、チェックしてみたほうがいいかもしれません。
■路地、繁茂した植栽……隠れ場所となる危険
多くの犯罪は死角となる場所で起こります。そのうちのひとつが、曲がりくねっていて見通しが利かない路地や、繁茂した植栽や放置された自動車などが視線を遮るような、人が隠れやすい場所です。引ったくりや、隠れて人を襲う、女性や子どもなどを引きずり込むといった犯罪の舞台となりやすいので、もし、住まいの近くにこうした場所がある場合には、近づかないようにすること。特に夜間は絶対に通らないようにすべきでしょう。
公園でも手入れが行き届いていない、巨木が多いなどの場所は人目につかない空間ができやすくなります。近所にそうした公園がある場合には、自治体に注意を促す、子どもだけで遊びに行かせないなどの配慮がほしいところ。特に、トイレが目につかない場所にある公園では、利用時、必ず大人が見守るようにしましょう。また、公園は時に、夜間、人が集まる場になることもあります。そうした場合は音に悩まされる可能性もあるので、周囲の人に夜間の状況について聞いてみましょう。
また、細い路地は地震や火災の時に、倒れてくる建物や火から逃げようがなく、危険。植栽に手を入れられない家には、住民が高齢であったり、不在がちであるなど、なんらかの理由が考えられます。こうした家には、ゴミが放置され、悪臭の原因になったり、不審者が住みつくなど、他のマイナスが生じてくる可能性もありますから、こうした家が近くにある場合には、十分注意しましょう。
■空き地、工事現場……人目につかなくなる危険
同じく死角として挙げられるのが、空き地や工事現場、工場、大きな寺社、駐車場、墓地など、時間によっては人がいなくなるような場所です。夕方以降は無人になる可能性がある場所では、夜間、自分が通る可能性がある時間に下見することをお勧めします。
また、住宅街でも、夜間にはまったく人通りがなくなる場所もあります。特に、大きな一戸建てが並ぶ住宅街では、家の灯が消されると、街全体が暗くなってしまうこともあり、油断は禁物。大声を上げたときに、誰かが気がついてくれるか、どこか逃げ込む場所があるか、そんな目で現地をチェックしてみましょう。
もうひとつ、人目がなく、ガードレールがない道路も要注意。というのは、自転車やバイクを使ったひったくりや、車を使った犯罪の舞台になる可能性があるため。ちなみにひったくりの場合、様子を伺うために脇を一度通り、狙いを定めて戻ってきて犯行に及ぶことが多いとか。こうした道を歩いているときには、携帯や音楽に夢中にならず、周囲の人の動きに気を配っておきたいところです。
■電柱、標識、エアコン室外機……侵入される危険
住宅の周囲では、侵入時の足がかりになるようなものがないかがポイントです。軒を接して建てられている住宅の場合にはエアコンの室外機や出窓、雨どいなどですし、道路に面している住まいの場合には電柱や植栽、道路標識なども足がかりになります。段差がある土地では家自体が侵入経路になることもあります。
敷地周辺では、当然ですが、照明が届かなかったり、植栽が繁茂しているなど、死角になる場所がないかも見ておくこと。敷地に沿った通路上の公開空地など、人通りが少ない場所は特に注意しましょう。
いずれの場合も見方のポイントは、自分が侵入犯になったつもりで見ること。どこだったら身を隠せるか、どこだったらよじ登れるか、その観点で住まいを見てみると、弱点が分かります。もちろん、弱点がなければベストですが、あったとしても、それが分かっていれば対策が立てられます。泥棒の気持ちになって、対策を考えましょう。
また、テーマとは離れますが、住宅の危険度も街同様に見えています。見た目が汚いのは問題外として、敷地内に死角のあるような住まいは避けたほうが無難。街と同じ視点で我が家を、これから住む家を見るようにしてください。
2009年1月27日 12時00分
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