鳥取、兵庫、京都の3府県が連携して、医師を乗せる救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)を導入することになった。中間に位置する兵庫県豊岡市の豊岡病院を拠点として、鳥取全域と、京都・兵庫の北部をカバーする。ヘリで病院に搬送する間、医師が機上で治療にあたることで患者の死亡や重症化を防ぐ。特に病院の数が限られた郡部で威力を発揮しそうだ。2010年4月の運用開始を目指している。
県医療政策課によると、119番通報を受けた消防から豊岡病院に連絡があると医師を乗せたヘリが出動。時速約200キロで飛行する。豊岡病院から米子市の鳥取大医学部付属病院まで42分、鳥取市の県立中央病院まで18分で行けるという。ヘリは医薬品や人工呼吸器などを備えており、医師1人が処置にあたる。これまで県内では県消防防災ヘリで病院に搬送していた。
07年8月にあった3府県知事会で医療分野の連携で合意。09年度には、共同運航体制を整えるための調整会議や運航計画を策定する委員会を開く。費用は、民間機1機のレンタル代など年間1億7000万円かかる。国の補助で半分をまかない、残りを3府県で負担する。出動基準などは現在、検討している。
ドクターヘリは今年1月現在、全国に16機配備されているという。【小島健志】
毎日新聞 2009年2月11日 地方版