このページの本文へ
ここから本文です

蘭Philipsが焦点距離可変の液体レンズを開発

2004年3月8日
 オランダのRoyal Philips Electronicsは、2004年3月18日〜24日にドイツのハノーバーで開催されるCeBIT Exhibitionにおいて、可動部品をまったく使用しない焦点距離可変の液体レンズ・システム「FluidFocus」のデモンストレーションを行う。Philips社が3月3日に明らかにしたもの。

 同システムは人間の目と同じように液体のレンズを使い、その形状を変えることで焦点距離を調整する。「大量生産に向いており、現在の低コスト画像システムの多くが抱える固定焦点という弱点を克服できる」(同社)

 レンズ部分は、屈折率の異なる2種類の不混和性液体で構成する。1つは導電性水溶液、もう1つは不導電性油で、上下の面が透明な短い円筒に入れておく。円筒の壁面と上下どちらか一方の面には疎水性加工が施されているので、導電性水溶液は曲面を形成する状態で安定し、球状の曲率を持つ凸レンズの役目を果たす。

 この状態で疎水コーティング面に直交する電界をかけると疎水性が低くなるため、レンズの形状を操作できるという。加える電界の強度を変えると、凸レンズから凹レンズまでスムーズに変化する。同社がデモンストレーションするFluidFocusシステムの焦点距離は5cmから無限遠で、「(焦点距離は)10ミリ秒未満で切り替えられる」(同社)。

 焦点距離の調整には直流電圧を使い、消費電力はほぼゼロに等しいので、バッテリで動作する機器に向いているという。同社が実施した試験によると耐久性は高く、「100万回以上も焦点距離調整を行っても光学的特性の劣化は発生しなかった。「高い耐衝撃性と広い可動温度範囲も見込まれるため、モバイル機器に最適」(同社)

 試作したレンズの大きさは、直径3mm、長さ2.2mm。小型の光学機器に組み込み可能。デジタル・カメラ、カメラ付き携帯電話機、内視鏡、家庭向けセキュリティ・システム、光学ストレージ・ドライブなどさまざまな用途が考えられる。

発表資料へ

◎この記事は、海外で発表されたニュース・リリースの抜粋を速報体制で制作しています。あくまでも抜粋ですので、内容などにつきましては必ず文末にある「発表資料」へのリンクでご確認ください。なお、海外発表分の速報ニュースは、総合IT情報サイト『IT Pro』の「US NEWS FLASH」欄でもご覧になれます。

■関連記事
米Motorola、カメラ付き携帯電話機が供給不足に、カメラ用部品の不足が原因
「カメラ付き携帯電話市場は急成長するが、長期的な成功は顧客満足度次第」、米IDC
「スマートフォンとカメラ付き携帯電話、今後5年で出荷台数が急増の見込み」、米企業の調査
「消費者が次の携帯電話機で最も重視する機能は画像メッセージングとPush-to-Talk」、米調査
「2003年のカメラ付き携帯電話機出荷台数、前年比2倍強の5500万台に」、英企業の調査
「2006年に西欧で販売される携帯電話機の66%はカメラ内蔵」、米Gartnerの調査
デジタル・カメラの人気が急騰中、その理由は「電子メールで写真を送りたい」
「米国世帯の20%がデジカメを所有、業界の今後の課題は長期保存」、米調査
ここから下は、関連記事一覧などです。画面先頭に戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る