自殺防止を訴える講演会とコンサート「自死遺族の声届けたい この歌で……」が31日、福島市早稲町の「こむこむ」で開かれる。母親を自殺で亡くしたさいたま市の藤本佳史さん(28)が講演と弾き語りを行う。
自死遺族のケアに取り組む福島市のボランティアグループ「れんげの会」(金子久美子代表)が主催。藤本さんは秋田市出身で、19歳の時、知的障害がある弟の養育に悩んでいた母が自殺した。「自分が近くにいたのに救えなかった」と悔やみ、現在は精神科医を目指し、埼玉県内で研修医として働いている。
「あしなが育英会」を通じ、同様に家族を自殺で亡くした遺族の話を聞き、07年には、母への感謝の気持ちを込めた歌「無音のノイズ」を作詞作曲し、FM局で放送され反響を呼んだ。昨年は手記「いのちを消さないで」(群青社)も出版。現在、全国で講演やコンサートを開いている。
今回の講演は「母を亡くしたあの日から」と題し自身の体験を語り、「無音のノイズ」など自作の歌3曲を披露する。藤本さんは「遺族はもちろん、人生で悩んでいる人にも聴いてほしい」と話している。
入場無料。問い合わせは、れんげの会(電話024・563・7121)。【今村茜】
毎日新聞 2009年1月25日 地方版