2007-03-24
「民主主義よ、お前はもう、死んでいる」――グアンタナモ化した政治と敵対性の外部化について
キューバのグアンタナモ米軍基地には、アルカイダとの関わりを疑われた数百人の人々が収容されています。彼らの多くは、裁判にかけられる予定もなく「無期限に収容」されています。また拷問が行われているという報告もあります。このようなことは、通常の法の枠内では正当化することが困難です。というわけで、アメリカではこのような収容が行われていいのかということが論争になっています。
ジジェクによれば、ある討論番組で、次のような収容擁護論があったそうです*1。いわく、「彼ら(囚人)は爆弾が当たらなかった者たちである」。つまり、彼らは米軍の正当な軍事活動の対象であったにもかかわらず偶然に生きのびたのだから、彼らを収容することに問題はない。どんな状態であるにせよ、死ぬよりはマシなはずだ。彼らは死ぬはずの者たちであったのだから、彼らには何をしても許される、というわけです。
日本の民主主義にも、グアンタナモの囚人たちのように「お前はもう、死んでいる」という通告が与えられました。山口二郎いわく、
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非常に勉強になりました。ただ、僕は階級闘争を放棄している自覚はありません。むしろ、深刻に『格差社会』なるレトリックの欺瞞に対抗しようとしているつもりです。
日本の左翼の弱体化と退廃の進行は本当に深刻です。およそ新左翼諸党派と呼ばれる組織は9割方「カルト」に成り果ててしまっているのが現状です。
ところで、もしよければ3.29アキバ交流会にいらして下さい。
へえ、そんなにあふれてますか?それは知らなかった。
> ドゴール云々のくだりはうろ覚えで書きなぐってしまったのでお恥ずかしい限りです。
いえ、僕もほとんど知りません。johanneさんが話題にされていたのは第二次大戦中のことで、僕がここで取り上げたのは1960年代という違いがあるだけで、誤りがあるわけではないと思います。
> 僕は階級闘争を放棄している自覚はありません。
もちろんそうだと思います(と、何もやっていない僕が言うのもヘンですが)。ただそこでなぜ浅野さんなのかという疑問はあります。たとえば↓を見たのですが、浅野を応援するというこの人たちの誰でもいいから立候補してくれればわかりやすいのになという気がして。。。
http://www.janjan.jp/election/0703/0703181915/1.php
>>ネットにはこのような浅野支持者の言葉が溢れています。
> へえ、そんなにあふれてますか?それは知らなかった。
浅野支持者はみんなそう言ってる、というような誤解を招きかねない表現になってしまっているでしょうか? う〜ん、そうかもしれないですね。だとしたらすみません。ただ、僕が目にしただけでも、山口二郎の文章に類似した論理で浅野が最良ではないと考える人にも浅野支持を呼びかける意見はたくさんありました。「溢れて」いると書いたのはそのためです。
石原慎太郎は「絶対悪」、それを倒す為に支持をしようというのは、非常に乱暴な話だと僕も思います。
こんなやり方で万が一勝利したとしても、今まで悪魔をうち倒す為にあえて無視していた違いや不満に、勝利後も目を瞑り続けることは出来ないでしょう。
結局新知事も「絶対悪」として外部化されて、同じことの繰り返しになるのではないでしょうか。
例としてあげられていた山本夜羽音氏は、石原 前田 竹花を「THE EVIL AXIS」として絶対悪視し、石原憎し為の浅野支持を公言し、またこのことがマンガ表現規制反対運動にとって利益になると主張しています。
一方で、「第2回子供の商業的性的搾取に反対する世界会議」に、「マンガは児童ポルノではない」「法が創作を規制してはいけない」との立場で意見を述べられた斎藤環 宮台真司は、石原の2期在任中「敵対」「攻撃」「排除」ではなく、石原に対して主張し意見を交わしています。こうした関係は規制反対運動にとって好ましいことだと言えるでしょう。
これに対して山本氏は【2007-03-20 『閣下』は君たちの「味方」か?】http://d.hatena.ne.jp/johanne/20070320
で、
[石原慎太郎は昨年の暮れ、東京MX-TVの「東京の窓から」という番組で、首都大准教授・宮台真司氏と対談している。その中で自ら「青少年健全育成条例」に触れ、こう言い訳している。
「いやねぇ、ありゃ、当時の副知事だった竹花君がね、『知事、治安対策の基本は青少年健全育成ですよ!』と言うもんだから、僕としてはどうかとも思ったんだけれど…」などと、竹花に聞いてくれ、と言わんばかりの態度。この人はいつもそうだ。都合の悪い事は他人や無関係な問題に責任転嫁する。任命責任や、改悪案に判を押した石原の責任は拭いがたい。]
として、対話による態度の軟化を一蹴しています。
勝ったとすればマンガ表現規制反対を公約としていない新知事との関係は、現知事よりも後退しないのか。負けたとして、一度「絶対悪」「人間失格」とした石原が、この後4年間執り行う行政にどう関わっていけるのか。山本氏は人々の結集を呼びかけながら、この点を正面から説明していません。
ここでのコメント欄でも山本氏は、toledさんの批判・疑問について、本質的な部分への返答を避けて、はぐらかしに終始しています。
山本夜羽音はかつて連絡網AMIの代表を務めた人物です。山本夜羽音には説明責任がある。
長文にて失礼しました。
がっかりさせてしまうかもしれないのですが、僕も石原さんと「対話」をすることによって何かが大きく変わると考えるのにはムリがあるような気がします。
漫画表現規制については知らないので何とも言えませんが、「山本夜羽音には説明責任がある」とここでおっしゃってもしょうがないのではないでしょうか? 少なくともブログで何か説明する責任はないです。
> 少なくとも_僕の_ブログで何か説明する責任はないです。
実際、現知事になって神奈川の状況が急速に悪化しているのを少しでも元に戻す事が期待できる候補は一人しかいないという
…その人もあやしいものだけど期待だけは…(;´Д`)