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2008-02-29

フェミニストは宮内庁長官の「苦言」を歓迎しよう--雅子さまへの古き良き暴力とポストモダンな支配について

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 ウホッ! 全国のフェミニストの皆さん、お加減いかがですか? 反自由党です。我々は天皇制を打倒することを目指していまっす。もちろん革命が成功したら宮内庁なんか廃止です。けれども羽毛田さん(なんとお読みするのでしょう?)がとても良いことを言ったので、この方のご一族は革命後も優遇することになりました。今回はそのお知らせです。

皇太子さま発言「今後に期待」=「苦言」に複雑な心境−羽毛田宮内庁長官

2月28日18時1分配信 時事通信


 宮内庁の羽毛田信吾長官は28日の定例記者会見で、皇太子さまが誕生日に際しての会見で「(天皇、皇后両陛下にお会いする)参内の頻度についてできるだけ心掛けたい」と話されたことについて、「よくお考えの上でなされたと思う」とした上で、「参内以外でもおっしゃっていただいたことが実行に結び付いてほしい」と述べ、今後に期待感を示した。

 羽毛田長官は13日の定例会見で、参内の回数について「依然として少ない」とした上で、皇太子さまが以前の会見で両陛下と長女愛子さまが会う機会をつくっていきたいと話したことについても、「ご発言を大切にしていただきたい」と苦言とも取れる指摘をした。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080228-00000117-jij-soci


 最近の社会学的な論文を読んでみてください。「ポストモダンな権力」「柔らかな支配」「見えない権力」「<従属>としての<抵抗>」・・・。書いてあることはだいたい同じですから、実際に読む必要はありません。要するに、権力はますます巧妙になり、とらえどころのないものになりつつあるのです。それでもささやかな抵抗はあるわけですが、「弱者の戦略」は逆説的に支配を強化するものとして断罪されます。

 困った!

 という状況なわけですが、宮内庁長官の発言は朗報です。なんてわかりやすくて、誰もがすぐにムカつける言葉なのでしょう! むき出しの暴力がここにあります。

 雅子さまが家父長的支配から解放されることを心から祈ってます。

 けれどもその日がいつ来るかは革命政党と言えども保証できません。

 最悪なのは、このような支配の構造が温存されたままに、「選択の自由」という幻想が演出されることです。皇太子が天皇に娘を会わせたいと発言したことは、このような悪質な支配を背景としたものでした。ここには、強制されていることを自らが望んでいるかのようなゴマカシがあります。そのような幻想を一瞬にして崩壊させたのが、羽毛田さんの「苦言」です。

 ジジェクいわく、

日曜の午後、(子どもが)祖母を訪ねなければならないとしよう。古き良き全体主義的な父は言うだろう。

聞きなさい。お前がどう思おうが知ったことではない。お前は行って行儀良くしていなければならないのだ。

これならば良い。抵抗することもできるし、何も損なわれはしない。

 しかし、いわゆる寛容でポストモダン的な父だとしたら、彼が言うのは次のようなことだ。

お婆ちゃんがどれだけ君のことを愛しているかということはわかっているね。けれども、お婆ちゃんのところに行くべきなのは、君が本当にそうしたい場合だけなんだよ。

さて、バカではない子どもは(そうだ彼らはバカではない)、この自由選択の外観は、ずっと強力な命令を隠匿しているということを知っている。つまり、祖母のもとに行かなければならないだけではなく、そうすることを好まなければならないということだ。


D

[05:50くらい以降]

 宮内庁長官の暴力は、少なくともこの「自由」の外観をキャンセルする効果を持っています。

 けっこうなことです。誰もが安心して、この暴力と対決することができます。

 雅子さん、「(元)登校拒否系」をアンテナ登録していただいているでしょうか? どんな演出がなされようとも、あなたが被られている暴力は、ちゃんと見えていますよ。私は今日も泣きました。メンヘラーからメンヘラーへ、そのことが伝えたくて筆を取った次第です。


参考

・・・[ひきこもり患者の]治療者は、初回面接の段階で、可能な限りみずからの立場の「公正さ」を証し立てなければならない。具体的には、少なくとも以下のような点について明言しておく必要がある。

  • 私は治療者として、就労が無条件に善であるとも考えていないし、ひきこもりが無条件に悪であるとも、まして病気であるとも考えていない。
  • それゆえ、あなたの状態が病気かどうかの判断については迷うところも大きいし、正直まだよくわからない。
  • だから少なくとも、あなたにこちらの価値観を押しつけたり、治療を強制したりするつもりはない。
  • ただ、あなたのご両親が困って相談に通っていることからの推測として、ひょっとするとあなたも悩んだり困ったりしている可能性はあるのではないかと考えている。
  • また、あなた自身の悩みや苦しみを、誰にも相談できずにいるうちに、あなた自身もその存在をないことにしようとしている可能性についても想像してみた。
  • もしそうであるなら、私は治療者という立場から、問題解決のために何らかの協力ができるかもしれない。

(中略)


  • もし治療が少しでも役に立ちそうだと感じられたら、少し続けて治療に通ってみてはどうだろうか。これは指示でも提案でもなく、私からあなたへのお願いである。

斎藤環(id:pentaxxさん), 「ひきこもりの個人精神療法」, p 104, 『こころの科学』, 123(「特別企画:ひきこもり」), 2005年9月.

こころの科学 123号 (123)

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  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: ムック

関連エントリー

「選択の幻想から反学校の政治へ」第一回 第二回 第三回

t-hirosakat-hirosaka 2008/03/02 14:33 たしか彼女は僕と同い年なんですよ。
…。
だから何?って言われると困るんですが、同世代のよしみで愚痴くらいならいつでも聞いてあげるのに、とは思います。

2008-02-28

革命的前衛党が東京地裁にブルジョア法の基礎の基礎を懇切丁寧に指導します

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「写真集出版で退学処分は無効」女性タレントの訴えを棄却


 写真集の出版を理由とした退学処分は無効だとして、女性タレント(19)が桐朋女子高校(東京都調布市)を運営する桐朋学園を相手取り、処分の無効確認を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁八王子支部であった。

 桐ヶ谷敬三裁判長は「原告は芸能活動の禁止を知っていたと認められる」と述べ、女性の訴えを棄却した。

 判決によると、女性は2004年、同高に入学。学校側は、入学時に芸能活動を禁止するとの内容の書面を配って生徒や保護者に知らせるなどしていたが、女性は06年7月に写真集を発売し、同10月、退学処分を受けた。

 女性側は、生徒に交付される「学校生活の手引き」には、芸能活動禁止の項目はなかったと主張していた。

 女性は「学校に戻って卒業したいという気持ちを裁判官に理解してもらえなくて、とても残念」とのコメントを出した。

(2008年2月27日19時10分 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080227-OYT1T00325.htm

 判決が不当かどうかと言えばもちろん不当ですが、そもそも論点がズレてます。規則の周知徹底が計られていたかどうかとか、どうでもいいことです。

 まず、ブルジョア法について第一に学んでおくべきなのは、選択の余地のない同意だの約束だの契約だのは無効であるということです。これ、自由民主主義社会を防衛するための基本中の基本です。「〜は禁止だよ」という通知が仮にあったとして、その時点で「いや、私は別にそんなの気にしないから」という意志を表明してたらどうなりましたか? こう言われてピンと来ない場合は、「日韓併合条約」をググってみてください。

 ただし、今回は私立学校であること、義務教育ではない(ことになっている)高校であること、という事情があるので、やや微妙ではあります。

 けれども実はそんなことはどうでもいいのです。

 今回の問題は、第一に職業差別です。あるいは、表現の自由の問題です。これについての判断をしなければなりません。

 たとえば、ハンセン氏病の元患者の宿泊拒否をするのは違法。ロシア人の入浴を拒むのは違法。部落差別は、民間企業がやったとしても普通に違法です。

 この程度のことは従来のブルジョア法廷も問題なく判断してきました。

 日本国憲法が裁判所に要請しているのは、<仲裁>ではなく<正義>です。約束したとかしないとか、破ったとか守ったとか、そういうことよりも上にある次元が、職業差別は容認されるべきかどうかってことです。

 職業差別がある。それが規則になる。たとえそれが周知徹底されようが、「自由意志」によって合意されようが、そもそも差別であるのだとしたらそもそも憲法違反です。


 それはともかくとして、今回も泣けばいいのか笑えばいいのか、よくわからないニュースでした。ウッディ・アレンが(ユダヤ・ジョークを引用したフロイトを引用したマルクス兄弟を引用して?)「私をメンバーにするようなクラブには入りたくない」と言ったそうですが、これを裏返す必要があるかもしれません。このような理由で生徒を退学にさせる高校に、いったいどれほどの名誉(笑)が残っているのか? このような判決を出すような裁判所にどんな権威(笑)があるというのか? 不当に生徒を退学させるような学校から退学処分を受けないとしたら不名誉だ。不当判決を出すような裁判所からまともな判決を受けるとなんか気まずい・・・。

 その意味で、原告女性の名誉は1ミリたりとも傷ついていない。

 けれども。けれども人生は続く。

 いばらの道かもしれない。だから、他人事ながら、泣いておくべきか、笑っておくべきかわからないまま、泣き笑いになってる。

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2008-02-23

ひきこもり心理学よ、笑いと感動をありがとう

ひきこもり心理学よ、笑いと感動をありがとう - (元)登校拒否系 を含むブックマーク はてなブックマーク - ひきこもり心理学よ、笑いと感動をありがとう - (元)登校拒否系 ひきこもり心理学よ、笑いと感動をありがとう - (元)登校拒否系 のブックマークコメント

 わはは、あひゃひゃひゃ、がはは。相変わらずやってくれるね、「心理学」。人生いろいろある。不安がいっぱいだ。つまらない考えが振り払えなくて、つまらない時間を過ごすこともある。でも今夜は新宿で遊んで楽しかった。そして帰ってきてパソコンをつけたらこれだ。笑った、笑った。っていうかまだ笑ってるよ。

<引きこもり>最多は30〜34歳 就職・就労きっかけで

2月22日20時12分配信 毎日新聞


 「引きこもり」となる原因は「就職や就労での挫折」が最多で、30〜34歳の年齢層が最も多いことが東京都が行った実態調査で分かった。本人の心理や意識にも踏み込んだ引きこもりの公的な調査は全国初。不登校など学校時代の体験をきっかけとし、若年層が多いとされる従来の見方とは異なる傾向が浮かんだ。 

 調査は、都内に住む15〜34歳の男女3000人を住民基本台帳から無作為抽出し、昨年9〜10月に個別に訪問。1388人から協力を得た。うち10人を引きこもりと判断し、別途調査した18人を加えて計28人を分析対象とした。

 原因のトップは「職場不適応」と「病気」の25%だった。「就職活動不調」(14%)を加えると、就労・就職をきっかけとする人は39%に上った。「不登校」は18%だった。

 年齢層別では、「30〜34歳」が全体の43%で最も多く、「15〜19歳」「20〜24歳」「25〜29歳」はいずれも18%。引きこもり状態になった時期は「25〜27歳」(29%)が最も多かった。

 一般の人との意識の違いを比べる(複数回答)と、「親との関係がうまくいかない」と答えた人は36%(一般は10%)▽「家族とよく話す」は32%(同66%)▽「家族から愛されている」は29%(同63%)−−だった。

 調査をまとめた明星大学人文学部の高塚雄介教授(臨床心理学)は、都内の引きこもり人口を約2万5000人と推計。また、心理的に同様の傾向がある「予備軍」は都内で約18万人、全国で100万人を超えると見ている。

 高塚教授は、陥る人の特徴を▽自意識が強く状況変化に適応できない▽人と争って傷つくことを嫌う▽人間関係の訓練が不十分で逆境に弱い−−と分析。「国の対策は、引きこもりとニートの分類が不明確で、現状に合った受け皿作りが必要」と話している。【佐藤賢二郎】


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080222-00000122-mai-soci

 とにかく、今はありがとうと言いたい。

 もちろん、芸人は面白いこと言うよ。ボーガスニュースの記事を読んだら そらクスッとなるさ。

 でもね、この人は本物の学者です。そして この記事は天下の毎日新聞に載ったのです。

 こういうレジスタンスの形式があったのだということを思い知らされた。

 学問を批判する。マスコミを疑う。

 そんなことをクソ真面目に訴えてきたワタクシは恥ずかしい。

 この教授と記者は英雄戦士だ。革命が成就したら銅像を建てると決めた。

 たぶんシステムは、こういうところから綻びていく。結構なことだ。もっともっとやってくれ。


 ただね。

 よく死者が出なかったと思うよ。「都内に住む15〜34歳の男女3000人を住民基本台帳から無作為抽出し、昨年9〜10月に個別に訪問。1388人から協力を得た」って何か? ピンポン押して回ったのか? それでお宅の息子さんはヒッキーですかとか聞いたのか? 「うち10人」がイエスと答えてくれたのか? それで「原因」やら「意識」やらについて根掘り葉掘り質問したのか?

 よく刺されなかったね。


 笑って笑って笑っていると、しまいに涙が出てくることがある。僕は いま泣いている。


 この調査は壮大なエンターテインメントだ。そして同時に悲しい。「未だかつて、文化の記録であって同時に野蛮の記録でなかったものはない」。少し前に読んだ小難しい文章に、こんな一節があった。何のことかはよくわからなかったけど、ふと思い出した。


 「うち10人」。


 親が対応したのか、ひきこもり本人が出てきたのか。


 協力しなかった人、家には「ひきこもり」はいませんと答えた家族や本人もいたかもしれない。それは何人だろう。


 どんな気持ちがしただろうな。


 それはわからない。


 わからないが、前言は撤回する。

 銅像は、建てない。革命が成就した暁には、この先生にはそれ相応の対応をさせてもらう。




 刺したかったが、刺すに刺せなかった人もいたかもしれない。


 これは僕のごく個人的な見解だが、刺さなくてよかったと思う。刺すのは良くないことだ。僕はチャウシェスクに起こったことは間違いだったと思うし、それに比べればヒロヒトへの対応はずっとずっとマシだったと思ってる。


 でも。でも もし刺したいと思ったのだとしたら。

 僕も この記事を読んで一度はそう思った。

 ということを書いておきたかった。


 さて、この調査の結果を参考にしようとしている諸君よ。数字をいくら見つめても無駄だ。「結果」ではなく「調査」自体について考えてみたまえ。

イオイオ 2008/02/26 13:10 私が引き下がっていたのは、40歳を過ぎてから。
対象年齢外ですが、そのころ、こんな調査に出くわしたら、15%の確率で、絶望して死んでいたかもしれません。
「別途調査」してほしいです。

PS
高塚教授が『人間関係の訓練が不十分で逆境に弱』くないことを、
お祈りします。

2008-02-20

協同組合も株式会社も非営利団体も「社会的企業」も「ニート問題」を解決しない--「ニート」対策事業を全廃して生活保護を拡充しよう

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 しばしば指摘されることですが、mixiの自分ページの右側に表示される「注目のピックアップ」や「注目のニュース」の見出しって変ですよね? 短くするのが難しいのか、東スポ的な受け狙いなのか?

 さっきも「ニート受け皿に 組合法制化も」っていうのがあってなんじゃそら? と思ってクリックしたら下のような記事でした。

ニート雇用の受け皿に=新協同組合の法制化で議連発足(時事通信社 - 02月20日 19:01)


 働く人たち自身が出資金を出し合って事業を運営する新しい型の協同組合を法制化しようと、超党派の議員連盟が20日発足した。ニートやフリーターなどの雇用の受け皿として期待されており、衆参両院から77人の議員が参加した。会長には公明党の坂口力・元厚生労働相が就任。今国会での新法成立を目指す。

 新しい協同組合は、そこで働く人たちが一口5万円程度の出資金を出して経営に参加し、非営利事業を行う組織。特定非営利活動法人(NPO法人)と形態が似ているが、働く人の間に雇用関係はなく、対等の立場で支え合う点が異なる。 


http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=412270&media_id=4

 またしてもネオリベ強化政策。しかもそれが「ニートのため」という名目で推進されてる。メラメラと燃え上がる長屋に消防車がようやく到着したと思ったら、タンクには水ではなくガソリンが入っていたようなものです。

 いったい、既存の資本家に有用と見なされないであろうような人による「経営」がどのように成り立つのでしょうか? 使い捨ての労働力を絞りに絞ってやっと生き残ることができる市場において「対等の立場で支え合う」ような事業体が何をしようと言うのでしょう? およそ資本主義的に成功する事業において、「対等」な人間関係はありえません。資本家との競争を生き抜いていくような協同組合では(←条件つき)、ブルジョア法によって認められた「労働者」としての諸権利さえも曖昧になっていくことでしょう。それでいてしかも、なにがしかの大義のために団体が存在することになっているぶん、(実質的)労働者からの抵抗が難しくなってしまうのです。全国のNPOにおいて それは既に起こっています。このような現象を描いた作品として、オーウェルの『動物農場(アニマル・ファーム)』がお薦めです。

動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)

 一方で生活保護は切り詰められ、支給がある場合でも就労やら「起業」やらへと追いやる仕組みが作られつつあります。

 今回の提案が実現したら、「成功例」が出現することでしょう。そしてそれが「ニートの自己責任」という資本主義の無責任・自己欺瞞に対するアリバイとなるのです。

 「ニート問題」は存在しません。問題は「ニート問題問題」です。すなわち資本主義です。働かないことが問題なのではなく、働かないとならないことが問題です。ニートが問題なのではなく、ニートが問題となることが問題なのです。

 これは資本主義が打倒されるまで解決することは決してありません。

 けども、当面の緊急対策として反自由党は以下のことを提案します。

  1. 「ニートのため」のあらゆる公共事業を停止する
  2. そのぶんの予算で生活保護を拡充する

 現状は、次のようなマネーフローがあります。

(A) 公的資金 → (B) 「ニートのため」の事業 → (ヒマラヤ山脈) → (C) 「ニート」(の就労)

 それでたいがいは(B)の時点でお金が消えます。しかもそのプロセスにおいて<努力>だの<意欲>だの<訓練>だの<啓発>だの、イヤなものがいっぱい生まれます。反自由党はこのプロセスをシンプルなものにすることを提案します。

(A) 公的資金 → (安心確実の銀行振り替え) → (B) ニート

 普通に考えれば、後者の方が良いに決まってますよね?

 先週1つもチョコをもらえなかった非モテ諸君は手を挙げてください。ネオリベ陣営は、「モテ養成講座」を提供してくれるそうです。

 これに対して我が党はハッキリ言います。「ダメなやつは何をやってもダメ」と。怪しげなセミナー開催のために使われる公的資金を奪取してダイエーに行って自分でチョコを買いましょう。


追記

 ほれほれ、こりゃもう最悪だよ。

ワーキングプア対策、「労働版生協」法制化目指し議連発足(2008年2月10日09時32分 読売新聞)


・・・地方自治体の行政サービスを民営化する際の委託先などになることも想定されている。


http://d.hatena.ne.jp/sugitasyunsuke/20080220/p2 より孫引き

 反自由党では、「民営化」という言葉を使用する自由を禁止しています。佐々木賢に ならって「私物化」と言いましょう。


教育と格差社会

教育と格差社会


関連エントリー

「共産主義者から、ワーキングプア問題問題について一言あるんだ!」

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/toled/20080220

2008-02-14

小論文試験を受けるみんなに、確実な情報をプレゼント。バレンタインだから。

小論文試験を受けるみんなに、確実な情報をプレゼント。バレンタインだから。 - (元)登校拒否系 を含むブックマーク はてなブックマーク - 小論文試験を受けるみんなに、確実な情報をプレゼント。バレンタインだから。 - (元)登校拒否系 小論文試験を受けるみんなに、確実な情報をプレゼント。バレンタインだから。 - (元)登校拒否系 のブックマークコメント

 入試問題というのは漏洩するものです。

 これは実話なんですが、さる国立大学の教授は、センター試験作成に関わっていました。そういうことは大っぴらにしちゃいけないことになってるんですが、問題制作にあたっての苦労話をしてました。なんでも、理想とすべき平均点があって、ちょうどいいくらいの難易度の問題を高校の教科書に準拠して作らなきゃいけない。だからたいへんだそうです。これ、「ここだけの話なんですが」ということでした。その話を、僕はある大手通信社記者の方から「これはここだけの話ですが」ということで聞きました。というわけでこれはこのブログだけの話です。

 これは漏洩事件じゃないです。でも、システムっていうのはどういうものかということを物語るエピソードではあると思います。原発は絶対に安全だけど危険です。それと同じで、入試問題は極秘だけど漏れることもあるんです。

 前振りが長くなりました。これから大学入試を受ける人に伝えたいことがあってこのエントリーを書いています。小論文の試験がある人向けです。ぜひ下の記事を読んでください。

「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。 (赤木智弘)


http://t-job.vis.ne.jp/base/maruyama.html

 入試問題はもう完成しています。で、ズバリ今年はこれが出ると思います。

 小論文試験で大切なことって何でしょうか?

 問いに答えること? 論理的な構成を組むこと? 誤字脱字をなるべく少なくすること? 適切な具体例を入れること? キラリと光る個性を出すこと?

 答えは、大学によって違います。それは出題傾向や予備校講師の分析を参考にしてください。

 でも、どの大学を受けても一番大事なことは決まっています。

 時間内に字数を埋めるということです。

 でもこれが結構たいへんですよね? 特に長い課題文がある場合、読んでるだけで「終了!」と言われることがあります。

 だから、課題文を試験場で初めて見るのと自宅でコーヒーを飲みながら落ち着いて読んでおくのでは、天と地の違いがあります。

 というわけで、上のリンク先をプリントアウトしておいて損はないと思います。

 どんなことを書くべきなのか?

 これは当日になってみないとわかりません。ただ文章が良いかどうかじゃなくて、問いに答えているかどうかということが評価されるからです。たぶん。そういうケースが多いと思います。

 ただしいくつか覚えておいて損はないキーワードがあります。

 まず、<承認>です。<尊厳>でもOKです。

 ああ、この人は承認を必要としているんだな、承認してあげようよ。

 って、普通の人間関係で言ったとしたら最大の侮辱になります。けれども不思議なもので、こういう特定の層を対象にする場合は、言ってもいいことになってます。

 承認のスゴイところは、無限だということです。たとえばこの課題文の筆者にバレンタインのプレゼントで何かあげるとしたら、お金です。で、他人にお金をあげると自分のお金が減ります。でも、承認の場合はそんな心配はいりません。タダです。無尽蔵かつ平等に分配することができます。全く自己変革なくして、善人の気分を味わい、正義を語ることができます。

 次に覚えておいてもらいたいキーワードは、<機会の平等>です。まず、字数が限られている小論文では、<平等>がいいものだ、ってくらいは前提にしちゃって全然OKです。ただし、論文試験では異論への配慮が評価されます。そこで、たとえば平等というのは実現するのが困難であるかもしれない、ということを認めてしまうのです。で、<機会の平等>を提示する。これも<承認>と同じくらいお手軽です。現在の不平等をそのまま温存しつつ、なんだか公正な社会になったかのような演出が可能になります。

 最後に、もっと内面的なポイントをテーマにするという手もあります。どのような状況にあるのであれ、戦争を選ぶのは人間の<自由>です。たとえば最近、レイプの被害者の行動や服装を非難するというスゴイ言説が出てますね。こういう感情の前提になっているのが、「男性神話」と呼ばれているものです。つまり、男性は性的な対象に本能的・動物的に行動してしまうのであって、それは理性のコントロールがきかない。だからたとえばレイプという悲劇の責任は、むしろそれを招いた被害者の側にあるのだ、というわけです。

 赤木さんは最後にこう書いてますね。

社会に出た時期が人間の序列を決める擬似デモクラティックな社会の中で、一方的にイジメ抜かれる私たちにとっての戦争とは、現状をひっくり返して、「丸山眞男」の横っ面をひっぱたける立場にたてるかもしれないという、まさに希望の光なのだ。

 しかし、それでも、と思う。

 それでもやはり見ず知らずの他人であっても、我々を見下す連中であっても、彼らが戦争に苦しむさまを見たくはない。だからこうして訴えている。私を戦争に向かわせないでほしいと。

 しかし、それでも社会が平和の名の下に、私に対して弱者であることを強制しつづけ、私のささやかな幸せへの願望を嘲笑いつづけるのだとしたら、そのとき私は、「国民全員が苦しみつづける平等」を望み、それを選択することに躊躇しないだろう。

 つまり、やさしさをもつ理性的な赤木と、暴走しだしたら止まらない赤木ジュニアがいるわけです。では最終的に戦争が選ばれるとして、その責任は誰にあるのか? ジュニアを誘惑した「格差社会」にあるのか? それともそれは「理性的な赤木」が選択したことであるのか? つまりこの文章の筆者は自由であるのか、どうか?

 そういう切り口もありうると思います(ちなみにこういうテーマについて考えるためにサルトルの入門書とかを読むと最適なんですが、小論文では絶対に「サルトル」という言葉は出さないでください。サルトル独自の用語も厳禁です。これを「人文系KY第一条」と言います。小論文試験は思想調査ではありませんが、超えてはいけない一線があるのです)。

 ただし、これはブログでは書かないでください。赤木さんの「真意」がわかっていない冷酷なインテリと言われてしまいます。

 え? 何が「確実な情報」なのかって? この赤木智弘の文章が小論文試験で課題文になりそうな気がする。なんとなく。そう僕が思ってます。それは確実です。


 ところで実はまだ読んでないんですが、「男性神話」についてはたぶん↓の本が詳しいと思います。

男性神話

男性神話

  • 作者: 彦坂諦
  • 出版社/メーカー: 径書房
  • 発売日: 1991/05/20
  • メディア: 単行本
レイプの政治学―レイプ神話と「性=人格原則」

レイプの政治学―レイプ神話と「性=人格原則」


 でもこういうのはマンガの方がわかりやすいです。レイプ魔の自己欺瞞を描いた作品として、↓をお薦めします。

きりひと讃歌 (1) (小学館文庫)

きりひと讃歌 (1) (小学館文庫)

きりひと讃歌 (2) (小学館文庫)

きりひと讃歌 (2) (小学館文庫)

きりひと讃歌 (3) (小学館文庫)

きりひと讃歌 (3) (小学館文庫)

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2008-02-13

「死刑廃止を推進する議員連盟」の非モテ思考と「フレーバー納豆」について

| 「死刑廃止を推進する議員連盟」の非モテ思考と「フレーバー納豆」について - (元)登校拒否系 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「死刑廃止を推進する議員連盟」の非モテ思考と「フレーバー納豆」について - (元)登校拒否系 「死刑廃止を推進する議員連盟」の非モテ思考と「フレーバー納豆」について - (元)登校拒否系 のブックマークコメント

 反自由党は、「死刑廃止を推進する議員連盟」を打倒することを全会一致の圧倒的多数で決議しました。

死刑廃止へ終身刑創設 調査会設置、4年執行停止

2008年2月10日 02時01分


 国民新党の亀井静香代表代行や公明党の浜四津敏子代表代行らがつくる超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」が、死刑廃止に向けてまとめた法案が9日、明らかになった。(1)終身刑の創設(2)死刑制度調査会の国会設置と4年間の死刑執行停止−が柱で、今国会での参院提出を目指す。死刑執行の停止を求める法案が国会に出されれば1956年以来、52年ぶりとなる。


http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008020901000546.html

 死刑を廃止すべきであるということは言うまでもありません。死刑は良くないからです。なぜか? 悪いからです。そしてこれは一瞬で了解されるべきことであり、それでわからない人は逆に何千年かけて何を知ろうが学ぼうがムダです。これについては以前書きました。僕は死刑を求める人と理解し合おうなどという用意は一切ありません。死刑の存廃を決するのは知識でも論理でも対話でもなく、人間の自由と暴力です。 

 さてでは上記法案の何が問題なのか? 「終身刑の創設」を求めていることです。

 死刑に反対だという人たちが、終身刑を求めている。なんと奇妙な事態でしょう? 劣化ウラン弾を落とすから原爆は止めとこう、みたいな感じです。死刑が非道であれば、終身刑も同じように非道であるはずです。

 いや、この議員たちの中には、何も人間をずっとずっと死ぬまで監獄に閉じ込めることを好き好んで求めているわけではない人もいるのかもしれません。できれば死刑も終身刑も避けたい。場合によっては、一般の刑罰の軽減を望む人もいるのかもしれない。けれどもそれでは、圧倒的に死刑を支持している「世論」を説得できない。ただ死刑反対と言ったのでは共感されない。だからまずは厳罰を望む国民にもわかってもらえるような死刑反対運動をしよう。死刑をなくしても厳罰は可能であることを示そう。

 そんな言い訳があるのかもしれません。

 この議員たちは、厳罰主義の風潮に一歩近づくことによって支持が得られるかもしれないと思っているのでしょう。しかし、死刑を終身刑で代替しようという提案は、まさに死刑を正当化する刑罰と嗜虐の思想に恭順することです。彼らのやっていることは、実際には死刑制度を存続させる精神の火に油を注ぐことになりかねません。人間を一生涯に渡って懲らしめる方法を開発して積極的に推進することによって、一体どうして「殺せ!」という人々の気持ちを変えることができるのでしょうか?  sarutoraさんいわく、

「納豆はあの臭いがいやだ。あの臭いさえなければ……」などと言っている人のどれぐらいの人が、超爽やかフレーバーの納豆が開発されたとして、「こんなのを待っていた」とそれを食べるだろうか。結局納豆嫌いだってだけちゃうんかと。


http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20060408/p3

 納豆業界は最近になって、 sarutoraさんのコンサルティングを無視してgoogle:フレーバー納豆なるものを開発しています。そうやって納豆嫌いの層への浸透を図ろうというわけです。完全な非モテ思考です。むしろ、納豆独特のあの臭いをどうやって強化するかということが課題です。パックの外側からも臭ってきて部屋に充満してしまうような商品を作りましょう。そうすることによって「臭い」ものを忌み嫌う基準そのものに挑戦しなければなりません。その先にのみ、納豆王国の扉があります。

 終身刑とは「フレーバー死刑」のことです。逆でなければなりません。必要なのは、死刑反対の思想と運動を、もっともっと極端なものに深化させていくことです。終身刑の提案どころか、無期懲役を批判しなければなりません。刑務所の廃絶を構想しなければなりません。「世論」からもっともっと遠くに離れていくことです。そうすることが死刑廃止の最短ルートだと信じます。

 

 ふと思い出したのが、猫のことです。昨日のエントリーで紹介した黒猫トレ子とその仲間たちは、僕たちが来た時には食事をしていました。

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 とっても大胆な形でキャットフードを撒いていった方がいたようです。猫は何をしていてもかわいいですが、特にエサを食べているのを見ると幸せになれますね。僕はうっとりと見とれていたんですが、同行していた とよちゃんは非情な人なので猫に興味はありません。それでキョロキョロしていて見つけてくれたのがこの掲示です。

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 右側の掲示は、数匹の猫に不妊手術を実施したことを伝えています。そして訴えます。「これ以上増える事はないので、小さな命の終えるまで暖かく見守ってください」と。

 不妊手術とは何か? 言い換えると絶滅政策です。人間界のナチスに相当します。しかし、ナチスはユダヤ人の絶滅を望んだことに正直でした。けれどもこの団体の人々はむしろ猫を愛しているのではないでしょうか。愛しつつ傷つけるのです。

 左の掲示には、こうあります。

かわいい、かわいそうというだけでエサをあげる事は猫嫌いの人を増やす事になります。猫が嫌われたり、邪魔者扱いされたら、あなたの気持ちも無駄になります。ご近所の理解と協力を得る事が大切です。

 まさにこれがジジェクの言うイデオロギーです。終身刑がいかに正義に反するか、猫の絶滅政策がどんなにヒドイことであるか、ということを訴えても彼らには通じないでしょう。おそらくそんなことは百も承知で「織り込み済み」なのです。こうした行動は既に「苦渋の選択」としてあります。リベラルな国会議員は寛容な社会の実現を、猫を愛する市民は猫の生存の確保を心から願っているのでしょう。その彼らを縛り、やむを得ず逆の行動に駆り立てているものが「世論」であり、「猫嫌いの人」「ご近所」です。不正義の責任はこうして「他者」にアウトソーシングされます。

 僕がジジェクという哲学者をパクリながら 「シリーズ:自由と強制と(無)責任の政治学」 において考えようとしているのはこのことです。もちろん、「バカと言う奴がバカ」というループがここでも発生しています。自分を棚上げにした みっともないところがあるかもしれません。その点については僕も革命が成功した暁に人民裁判に呼び出されることになるかもしれないと思っています。ただこのシリーズ、非常にエンターテイメント性が高いです。というわけで、超長文が多いんですが、それだけの価値がありますので安心して読んでください。


 でもその前に、もっともっとお勧めの文章があります。

〈終身刑問題〉をめぐって(水田ふう)


http://www.ne.jp/asahi/anarchy/saluton/archive/kaze48.htm


「リベラル保守」を探し求める論理と衝動(金光翔)


http://watashinim.exblog.jp/6798747/

2008-02-12

給食費問題という極めて悪質な無法状態について反自由党のイメージガールから一言(画像あり)

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id:tokoroten999さんより「 本気で勝ちたいんなら、なぜ雪だるまの所に猫を置かないの?」という愛の革命的指導をいただきました。残念ながら猫はそこにはいませんでした。ただし反自由党軍事委員会副議長が偶然にも猫ですので、彼女の画像を追加しました。12日午後1時頃。)

(それだけだとバランスを欠くので、イザンヌ朝比奈さんの応援団画像も追加しました。12日午後3時頃。)


 こんなことが許されていいんでしょうか? とんでもないです。モラルも法も正義もあったもんじゃありません。怒りに震えています。プンスカ!

給食費未納に法的措置広がる 「学校給食立ち行かない」


http://www.j-cast.com/2008/02/10016427.html

市川市が給食申込制へ


http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000802080001

 こんな無法状態に対しては、甘い対応でお茶を濁すべきではありません。厳正なる処分が緊急に必要です。もちろん、重大な憲法違反を犯している各自治体に対して。

 素直な気持ちで日本国憲法を読んでください。

日本国憲法第26条


1. すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

2. すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 僕は不幸にして義務教育を半分も受けていませんが、このくらいは読めます。要するに、学校はタダですよ、ということです。

 払う払わないという以前に、給食費を徴収することが日本国憲法に対する反逆行為に ほかなりません。

 給食はそもそも無料。つまり全国の学校で行われているのは架空請求です。むしろ払ってる親がどうかしています。市川市の未納率が 0.22%。憲法を理解している保護者がたったこれだけしかいません。残りの圧倒的多数のみなさん、消費者センターに相談してください。 *1

 教材費についての最高裁の判例があるぞ、という反論があるかもしれません。

どの範囲まで無償とするかは、

「授業料だけでなく、教科書代金、教材費、学用品等教育に必要な一切の費用」

とする見解もあるが、

最高裁は、

「義務教育の無償とは、

あくまでも教育の対価である授業料の無償を定めたもの」

としている。


http://chizuru0717.iza.ne.jp/blog/entry/282247/

 間違いです。いえ、この紹介自体は正しいんですが、最高裁が間違ってるんです。最高裁判所というのは日本国憲法を蹂躙する陰謀機関です。地裁のペーペーの裁判官が空気を読まずに憲法を読んで出した判決をひっくりかえすのを主な業務にしています。

 この件についても最高裁の判断は完全に誤りです。

 というのも、学校教育とは、教師、教室、教科書、運動場、給食、金属バット、圧殺装置(→こちらの後半部分を参照してください)その他もろもろを含んだ全体のことだからです。

 嘘だと思ったら、給食時間にDSで遊んでみてください。どうなるでしょうか? そこで露わになる暴力こそが教育というものです。っていうか食べ方とか量とか、ネチネチこと細かに指導があるでしょ? 現にそれで人が死んでいます。あるいは、班ごとに机をくっつけて食べるのに、一人の分だけ1 cmくらいスペースが空いている、とかって、最も学校的な学校体験ですよね? だからこそ、学校を舞台にするアメリカ映画ではよくカフェテリアのシーンがあるのです。どのグループの机に座るか。どこにも居場所がないか。そういう殺伐とした瞬間こそが、「学校時代の思い出」として真っ先に去来するものなのではないでしょうか? ちなみに、カフェテリア形式について反自由党では 「非コミュのための学食改善私案」 を発表しております。

 不登校児に対する登校圧力として「給食だけ食べに来てみない? ね!」っていうのは定番ですが、それはもちろん学校に来いということです。現に多くの場合はそれで出席扱いになります。給食を食べたら学校教育を受けたことになるのです。

 給食は教育。

 だから教育がタダなんだったら給食もタダ。当然です。

 「ハイビジョンテレビが当たりました! 無料です!」というハガキが送られてきたことはないですか? 喜んで電話したら、リモコンは30万円だと言われます。給食費問題は、これと同じくらいふざけた話です。

 ちなみに、上の引用で最高裁の判例を紹介されているのは、二代目イザンヌ(産経新聞社iza!のイメージガール)の朝日奈千鶴さんです。ブログでは左上の方に写真を公開されています。僕も対抗させていただくことにしました。どっちがいいか、 ブクマコメントでの投票をお願いします。どっちの意見に賛成するか、じゃありません。僕は顔で勝負したいんです。 右翼と左翼、思想では永遠に噛み合いません。ビジュアルで決着をつけましょう。左派の代表は僕が務めさせていただきます。さっき党中央委員会で決まりました。ゲバラを継いで、僕が革命的左翼勢力の二代目イメージガールです。もし僕がこの勝負に負けたらサヨクは終了したと思ってください。

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 反自由党軍事委員会副議長のトレ子さんが激励に駆けつけてくれました。

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 僕はマルクス・レーニン主義者ですが、トレ子さんはアナキスト(いつ会っても黒です)。深刻な路線対立があるので、普段からツンレデ的同志愛を深めています。近づいても逃げないけど、うれしそうな顔はしてくれません。なおこの写真ですが、遅まきながらheiminさんの雪だるま企画 への応募も兼ねさせていただきます。


 僕だけ猫の同志を連れてくるのは不公平なので、イザンヌさんの応援団にも来ていただきました。ウホッ!

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 ちなみに今回、僕は下のような犠牲を払いました。審査にあたってはこの点も考慮してください。

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 ただし、努力賞はいりません。結果で選んでください。

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 21世紀のバスティーユがこの対決です。そしてあなたのクリックで歴史が動きます。


 なお、真面目な意見を読みたい方は次の記事をどうぞ。

一日も早く義務教育の完全無償化を実現しよう 長澤 裕


http://www.ohmynews.co.jp/news/20080207/20663

 反自由党はもちろん義務教育そのものを破壊することを目指しています。ただし給食はあってもいいかもしれません。教育予算に給食費を含めるかどうかについて悩むより、給食以外の予算を全て給食に回して毎日ビフテキや寿司や天ぷらやハーゲンダッツを食べましょう。今、 ほっかほっか亭の経営を巡ってもめています 。分裂するとかしないとか。この際だから、国営化しましょう。手っ取り早く全国規模で給食が提供できると思います。


追記

自動分類されるブクマの「カテゴリ」が当初は「読書」という不適切なものになっていたので、自己編集して 「アイドル」に変更させていただきました。

*1:ただし、払ったり払わなかったりという人もいると思うので、未納 の割合はこの数字とは異なるかもしれません。

2008-02-07

みんなが職務違反できる明るい社会をーー「君が代」不起立問題に寄せて

| みんなが職務違反できる明るい社会をーー「君が代」不起立問題に寄せて - (元)登校拒否系 を含むブックマーク はてなブックマーク - みんなが職務違反できる明るい社会をーー「君が代」不起立問題に寄せて - (元)登校拒否系 みんなが職務違反できる明るい社会をーー「君が代」不起立問題に寄せて - (元)登校拒否系 のブックマークコメント

[7日12時前後に加筆修正しました。]


 人民のみなさん。社会問題に対する正しい左翼的リアクションを指導して30年、反自由党です。

「君が代で起立せず」不採用の元教諭勝訴 「裁量逸脱」

 都立高校の卒業式などで職務命令に反して「君が代」の斉唱時に起立しなかったことを理由に、都が退職後に嘱託職員として採用しなかったのは違憲だとして、元教諭ら13人が都に慰謝料などを求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。中西茂裁判長は、都による不採用の判断は「職務命令違反をあまりに過大視しており、裁量を逸脱している」として、13人に計2700万円を支払うよう命じた。

 一方で中西裁判長は、君が代斉唱時に起立を命じた職務命令は、憲法が保障する「思想及び良心の自由」に反せず合憲だと指摘。起立しなかった教師の処分を含め、都教委が国歌・国旗の取り扱いを定めた03年の通達についても、「教育は不当な支配に服しない」とした旧教育基本法に違反しないとの判断を示した。

 その上で判決は、職務命令違反を理由に不採用とした都教委の判断について「元教諭らは積極的に式典の進行を妨害したのではなく、起立しなかったこと自体がただちに採用を否定するほどの行為というのは疑問だ」と述べた。


http://www.asahi.com/national/update/0207/TKY200802070355.html

 たぶん、職務命令に違反したらクビになるのは当たり前じゃろが! っていうような反応が多くなりそうですね。

 けれども、ここで問題になってるのは命令違反ではありません。

 そもそも、教師は命令違反が仕事です。憲法や教育基本法をまともに守ろうとしたら、学校は明日から崩壊します。校長や教育委員会は決して体罰を命じたりはしません。むしろ、体罰を禁止しています。教師の役割は、そういう建前とセットになっている「空気」を呼んで、ちょうどいい湯加減の無法者になることです。

 思えば、十数年前。「子どもの権利条約」(児童の権利に関する条約)が批准されそうになっていたころ、我々はヒヤヒヤしていたものです。生徒に「権利」なんか認めたら、学校は成り立たなくなるだろうと思えたからです(ちなみに、教育基本法が改正されることで大騒ぎしておったサヨクのみんなに今回だけのサービスでアドバイスするけど、この条約を読んどきな)。

 しかし、何も起こりませんでした。

 「権利」とか「自由」とかいう言葉に付された「(笑)」という注釈を、優秀な教師たちがしっかりと読み取っていたからです。

 というわけで、法律や命令に違反することを一々取り締まっていたのでは、学校を存続させることができません。というかその大半は暗黙に要求されているものでさえあるのです。

 従って、問題は命令違反一般ではなくて、「なぜ他ではなくこの特定の命令違反を処分理由とするのか」ということでなければなりません。

 そうやって考えると明らかなことですが、これはズバリ思想弾圧です。無数にある職務命令違反の中で、あえて「日の丸」「君が代」の件を選んだ恣意の中に、東京都の悪意を見なければなりません。したがってこれは「ルールは守りましょう」という中立的な一般論ではなく、極めて具体的な対象に対する攻撃なのです。誰もがあらかじめ違反者であるために、いつでも恣意的な弾圧が可能になるというカラクリについては、「反自由党は「ビラ配布→逮捕→有罪」を歓迎する——はてなとmixiと秋葉原グアンタナモ天国の比較自由論」でも書きました。

 でもそんなことはどうでもいいと思います。

 郵便局員が仕事をさぼっている。民営化して民間並みの勤労精神を身につけさせよう。社会保険庁のオペレーターが1時間ごとに休憩していた。民間だったらありえないよ。民営化しよう。

 最近はそういう話ばっかりです。

 とにかく労働者を休みなく命令に忠実に働かせる改革が進行しています。

 しかし僕が問いたいのは、「あなたは命令する側ですか、される側ですか」ということです。後者ですよね? ところがこういう社会問題を論じる時に、ついつい「資本家モード」「命令者モード」で思考していないでしょうか?

 逆でなければなりません。命令なんてクソ食らえです。命令なんか守らなくたっていいリラックスした社会を目指そうではないですか。

 教師は気楽でいいな、上司に命令されたことも無視するなんて。

 なんて言ってる場合じゃないです。どの仕事についていても、命令なんか無視できるようにすべきなのです。

 公務員はいいな。仕事がさぼれて。

 なんて言ってる場合じゃないです。佐川急便も、トヨタも、グッドウィルも、マクドナルドも、みんな国有化しましょう。それでみんなが公務員になって、みんなで安心してサボればいいのです。

 教育レジスタンス闘士のみなさん。「君が代」を歌うかどうかなんて、ほんの数分のことでガタガタ騒いでいる場合ではありません。テストの採点業務、めんどくさいでしょ? 生徒にパワハラする業務、やってる方の気分もよくないでしょ? 授業は疲れますよね? 職員会議なんかやる時間があったら仮眠を取りたいですよね? そういう業務全体を拒否する闘争をやるべきです。

 生徒にしたって、学校でやらされることは嫌です。卒業式なんてむしろ気楽なものです。問題は、たとえば二次方程式の押しつけをどうするかということでなくてはなりません。

 「特権的」公務員の足を引っ張るのはもういいです。その「特権」をみんなが享受できるようにしましょう。それで「特権」をもっともっと豪華なものにしていくのです。「特権」のシステムはそうやって崩壊します。

 命令による支配と服従の関係を廃止するわけですから、当然学校はなくなります。支配なくして学校はないからです。

 とまあ、こんなオチになっちゃいました。「元教諭」のみなさんの仕事は結局なくなります。ごめんなさい。


関連エントリー

「反自由党は「ビラ配布→逮捕→有罪」を歓迎する——はてなとmixiと秋葉原グアンタナモ天国の比較自由論」

「「もうセカンドハーフに入ってます」——「君が代訴訟」に関するサヨクの皆さんへの重大なお知らせ」

「反自由党は卒業式での日の丸・君が代の強制を断固支持する(前篇)」

「郵政民営化問題に関する反自由党談話」