西日本新聞


飯塚市の子育て支援スペース「つどいの広場」 廃園活用 協働モデルに

2009年 01月 15日 | [1]子育て支援

 運動場を元気いっぱい駆け回る子どもがいれば、絵本に目を通す姿もある。母親たちは育児の話で盛り上がる-。廃園になった飯塚市の鯰田幼稚園を活用した子育て支援スペース「つどいの広場いいづか」(同市鯰田)は、親も子も快適に過ごせる空間だ。開設6年目を迎え、官民協力で運営する取り組みが評価され、本年度の地域づくり総務大臣表彰を受賞した。

■開設6年 総務大臣表彰も

 オープンは2003年7月。行財政改革で廃園になった同園の活用法を、市と民間の子育て支援グループなどが話し合い、各代表でつくる「運営協議会」が管理するシステムを整えた。

 市は施設を無償で貸与、光熱費や維持費も負担し間接的に支援する。行政の支出の無駄を省き、市民のネットワークやノウハウを地域づくりに生かす「協働」のモデルケースと言える。

 ただ、オープンまでの道のりは険しかった。市立幼稚園の廃園は行政への不信感を植え付け、話し合いは難航した。それでも「行政主導ではなく、みんながそれぞれの意見に耳を傾け、本気になって『子育て』を考えたことで、いい広場になっていった」と、当時の児童育成課長で、市社会福祉協議会理事の田崎千歳さん(61)は振り返る。

 現在、育児や不登校からの立ち直りをサポートするグループが定期的に利用するほか、個人やサークルで使う人もいる。同市枝国の中村礼羽(あやこ)さん(32)は長女実羽(みう)ちゃん(3つ)、長男優斗君(1つ)を連れて訪れる。広場では安心して子どもを遊ばせることができるうえ「お弁当を持ち寄ったりして、お母さんたちも楽しんでいる」と話す。

 不登校生徒にかかわる元同市教育長の藤江文雄さん(70)は「生徒たちが幼児と接することで、閉ざされていた心が開かれることがある」と分析。市児童育成課は「これからもみなさんの活動を見守り、サポートしていきたい」としている。


=2009/01/15付 西日本新聞朝刊=

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