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札幌地裁:「遺族の心情理解」実刑…被害者参加で初判決

 被害者参加制度に基づき遺族が実刑判決を求めた裁判で、札幌地裁は10日、業務上過失致死傷罪に問われた札幌市北区の無職の男(42)に禁固1年6月(求刑・禁固2年)の実刑を言い渡した。石井伸興裁判官は判決理由で「厳しい処罰を望んでいる遺族の心情は十分に理解できる」と述べたが、被害者の発言が量刑に影響したかどうかは不明。最高裁によると、同制度が適用された公判の判決は全国初とみられる。

 判決によると、男は神奈川県平塚市の相模川で07年4月、知人4人を乗せたプレジャーボートを操縦していたところ、河口付近で高波を受け、同県大磯町のアルバイト男性(当時27歳)が海に転落して死亡し、2人が重傷を負った。1月30日の公判で男性の父親(59)と兄が出廷し、男が約束した500万円の支払いに応じていないことなどへの不信感を訴えたうえで実刑判決を求めていた。

 石井裁判官は判決後、「刑務所に入れば償いが終わるわけではない。前回、お父さんの考えをその耳で聞いたと思うが、どう償うかを考えてきてほしい」と男を諭した。被害者の父親は「裁判官に気持ちが十分伝わったと感じており、判決は適切だったと思う。被告には誠意ある償いを待っている」とのコメントを出した。

 傍聴した札幌弁護士会刑事弁護センター運営委員会の見野(けんの)彰信副委員長は「被害者参加が量刑に影響を及ぼしたのかなどを検証したい」と話した。【芳賀竜也】

毎日新聞 2009年2月11日 0時12分

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