今、巷の書店などでは、今後の日本経済の行く末をいろいろな人が予測している本が結構出てきている。多くは悲観的なものだ。
成功者であっても、まともな生活ができなくなるということは、決して私が悲観論者だから予測されたものではなく、経済を多少かじっている人であれば、当たり前の共通認識となりつつある。それはそれでいいことだ。
だが、この日本という社会を見渡していると、「心配しなくてもいい人が、心配している」、また「心配しなくてはいけない人が、心配していない」という現象が目に付く。
経済的に将来磐石の人ほど、収入の増大に勤め、貯金に励み、さらに資産を分散させたり、通貨が暴落したりする状況に対応しようとしている。すでに莫大な資産を有し、将来の経済的不安なんか、傍目から見れば微塵もないような人ほど、日本経済や世界経済の現状を把握し、細かいことでも不安要素があれば、それを解消しようと努力している。
一方、現在貯金も余りなく、サラリーマンという極めて不安定な場に身を置いておられる方、つまり不安要素をたくさん抱えておられる人の方が心配されていない。いや、心配はされているのだろう。ただし、心配を解消するために実際何かの行動を起こしている人は、極めて少ないといわざるを得ない。
不思議だと思う。
リストラや倒産といったことから無縁であったとしても、今の給料をもらい続けることで一生暮らしていけると思っておられるのだろうか。僭越ながら、こちらが心配してしまう。
今、貯金がほとんどない、あっても数百万円の場合、将来が不安で夜も眠れないということはないのだろうか。逆に、今は収入も少なく貯金もないが、将来は収入も増え、貯金も一杯できると思っておられるのだろうか。そうであれば、何か根拠があるのだろうか。
現実から目をそらしているだけの人が多い。
だから、「未来不安予想図」が必要なのだ。
不安こそが、行動を起こす原点であり、
「未来不安予想図」は、あなたと現実を結びつける唯一の方法となるのだ。