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ヨーロッパの財閥と企業グループ 24 ロスチャイルド関連企業の研究 メディア王ルパート・マードック

今回は、ロスチャイルド財閥の支援を受けて時代の寵児となった著名な人物を紹介しましょう。
オーストラリア出身のメディア王ルパート・マードックです。彼は世界に築いたメディア帝国「ニューズ・コーポレーション」に君臨する帝王です。


マードックは、戦後にイギリスに渡ってオックスフォード大学を卒業すると、オーストラリアに戻って小さな新聞社を受け継ぎました。1968年にはロンドンに進出し、大衆紙「サン」を買収して頭角を現わし、1976年にアメリカに進出。「二ューヨーク・タイムス」を買収し、二ューヨークでの発行部数をトップに押し上げました。1981年にはイギリスの老舗「タイムズ」を乗っ取り、1986年には映画配給会社「20世紀フォックス」を買収したのち、アメリカでのテレビネットワーク「FOXテレビジョン」を設立します。アメリカ3代放送と呼ばれたNBC、ABC、CBSの牙城に食い込み、遂に“メディア王”と呼ばれるようになります。

 
このマードックの最も重要な資金面の後ろ盾が、ロスチャイルド財閥なのです。マードックはキリスト教徒ですが、彼の母親はユダヤ人富豪の娘として生まれました。つまり、マードックはユダヤ人として生まれ、キリスト教に回教したのです。マードックの筆頭法律顧問は、アメリカ・ユダヤ人会議会長ハワード・スコードロンでした。さらにマードックの経済顧問を務めているのは、二ューヨークのロスチャイルド社を率いてきた人物です。要するに、マードックがアメリカ進出を果たす際にバツクアップしたのが、アメリカのユダヤ人ネットワークだったのです。


マードックは1987年にイギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムス」の株を20%取得してイギリス財界とのパイプを太くし、高級紙「タイムス」も支配します。テレビでは「BスカイB」(ブリティッシュ・スカイ・ブロードキャスティング)の株を40%取得します。一方、アメリカでは2002年にFOXテレビジョンが、アメリカのケーブルテレビネットワークとしてCNNを抜いてトップに立ちました。そして2003年、マードック率いる「ニューズ・コーポレーション」は、アメリカ衛星テレビ最大手の「ディレクTV」を運営するヒューズ・エレクトロニクス株の34%を取得し、手中におさめました。


母国オーストラリア、大学時代を過ごしたイギリス、そして市民権を獲得したアメリカでマードックは、このように次から次にマスコミ企業を買収してきました。その資金がロスチャイルド財閥から提供されていきたということは、何を意味しているのでしょうか。これはロスチャイルドグループによるマスコミ支配なのかもしれません。


このほかにもロスチャイルド財閥は、英国「ロイター通信」と米国「ブルームバーク」にも強い影響力を持っています。金融情報サービス会社を支配することで、多くのメリットがあるからでしょう。
ちなみに「ブルームバーク」の創立者マイケル・R・ブルームバーグは、シティグループが買収した、ロスチャイルド系の「ソロモン・ブラザーズ証券」のジェネラル・パートナーでした。エクイティ・トレーディング部、セールス、システム開発部の統括を歴任、退社した後、1981年にブルームバーグを設立。2001年6月、ニューヨーク市市長に選出されました。


このようにロスチャイルドグループは、金融、石油、化学、マスコミなど各分野にネットワークを張りめぐらせ、今日に至っています。彼らが表舞台に出ることは少ないですが、その系列をたぐり寄せていけば、ユダヤ人ネットワークやM&A、企業提携などによってロスチャイルド財閥が深く絡んでいることが見えてきます。


さて、次週からは日本人になじみの薄い「ヨーロッパ財閥」を紹介していきます。どうぞご期待ください。


By Master K/益田 慶