こちらは『ベンジャミン・バトン』より楽しめた。
だって、ハーレークインロマンスみたいなのりなんですもの〜。
整形しすぎ、高額なギャラのわりに映画が売れないと、悪く言われることが多いニコール・キッドマンですが、やっぱり彼女は綺麗です。 個性のある美人ではなく、クラッシックな美人なので、演技力がなくても、映画を華やかにしてくれます。
でも、ニコール・キッドマンより注目なのが、相手役のヒュー・ジャックマン。 純な男のセクシーさが堪らない!
ヒュー・ジャックマンはX-マンの印象が強いけど、メグ・ライアンと競演した『ニューヨークの恋人』もが良かったな。
1876年のニューヨークから現在へとタイムスリップしてしまう、レオポルド公爵を演じたんだけど、貴族役が似合ってた。
『オーストラリア』も、舞台は第2次世界大戦頃なので、コスチュームものが似合うタイプなのかも。
この映画の見所は、オーストラリア特有の大自然にもあります。 監督は、オーストラリア人のバズ・ラーマン。
『ロミオ+ジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』など、カラフルで独創的な映画を手がけていますが、そんな彼の演出は『オーストラリア』でも健在。
でもねぇ、『オーストラリア』は、日本人にとっては後味が悪い映画だった。
この映画の時代、オーストラリアの原住民アボリジニと移住者である白人の間に生まれた子供たちは、良いクリスチャンの子供となるべきアボリジニの家族から引き離され、ミッションスクールでの寄宿生活を強制される。
この映画のテーマは、映画会社がうたうような「運命の愛」じゃなくて、アボリジニのことが重要なテーマとなっているのです。
このアボリジニの子供達を強制的にミッションスクールでクリスチャンとして育てることは1973年まで続き、2008年にはオーストラリア首相が、この悪しき風習について正式に謝罪した、とエンディングにも説明されます。
それは、いい。
しかし映画の中で、小さな島にあるミッションスクールを日本軍が爆撃し、日本兵が上陸します。 この日本兵の描き方が、典型的なハリウッド的なパターン。 横暴に「おいっ」とか「そこだっ」とか言う会話。 そしてヒュー・ジャクマンと一緒に島にやってきたアボリジニの男性が、子供立ちを助けるため犠牲となり、日本兵に殺されるのです。
つまりね、オーストラリア政府がした悪しき風習を浄化するためのスケープゴートが、日本兵。
こうして、今まで散々差別してきたアボリジニを英雄とし、その代わり憎しみを日本兵へと向ける構図が、ここに見られます。
それですっかり白けてしまいました。
私はバズ・ラーマンといえば、B級映画的な『ダンシング・ヒーロー Strictly Ballroom (1992)』が一番好きだなぁ。
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