ここから本文エリア ラグビー学校支援に70社★不況乗り越え2009年02月08日
■不登校の子どもらにラグビーで仲間作り/スクール立ち上げ 不登校の子どもらを対象にしたラグビースクールが22日、県内で初めて開校する。「かえでラグビースクール」。教員や自営業者、会社員ら約80人のスタッフが運営し、70社の企業が支援する。ラグビーを通じて、「心を開くきっかけになれば」との狙いがある。今のところ、参加希望の生徒は20人程度で、このうち不登校は1人だが、輪を広げていく計画だという。(伊藤和行) スクールの発起人は、甲府市和戸町の喫茶店経営望月大和さん(63)ら。開校は、望月さんが喫茶店の客から、不登校の子どもについて相談を受けたことがきっかけだった。親は「先生が子どもの面倒をみてくれない」と言い、教員は「親が理解してくれない」と訴えた。 07年度の県内の中学生の不登校の割合が、全国で最も高かったことも知った。 話を聴いているうちに浮かんだのが、ラグビー。「ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン」(1人はみんなのために、みんなは1人のために)の精神を伝えることだった。他人を思いやる心や、他人も自分のことを考えてくれているということを、知って欲しい、そんな思いもあった。 望月さんは甲府商、日本体育大でラグビーの選手。県内の小中学校で教員を38年間勤めた。「大人同士が手を結び、子どもと向き合う場をつくろう」。昨年春、スクールの構想を、教え子や客に話すと、続々と支援者が集まった。一口5千円の賛助会員は1年間で60人。賛助企業70社からは、1社当たり1万円の会費を募り、グラウンドの使用料や道具代に充てる。 22日のスクールは、甲府市和戸町の山梨学院和戸ラグビー場で開校する。対象は、幼児から中学生までの子どもたち。その後は仲間を増やし、週1回の日曜日、甲府市、甲斐市、昭和町、峡南地域の4カ所で開く予定だ。誰でも参加できるが、不登校や、障害があり学校を休みがちな子どもに、「グラウンドに出て、友達をつくろう」と誘っている。 4歳児から中学3年生まで約20人の子どもが参加を希望している。講師は、ラグビー未経験者も含めて約80人。態勢は整っている。 不登校の子どもの親の会「ぶどうの会」代表の鈴木政洋さん(64)は「たくさんの大人が集まって熱心に指導すれば、子どもは必ず心を開く」と期待する。 望月さんは「まず、グラウンドに出て仲間と接し、徐々に学校に行けるようになってほしい」と話している。 問い合わせは、かえでラグビースクール事務局(055・226・0677)へ。
マイタウン山梨
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