第三の炭素結晶証明 東北大研究グループ、工業向け合成着手
同グループは「新結晶で集積回路をつくれる可能性もあり、金属資源の節約や材料コストの削減につながる」として、結晶の合成に乗り出した。 この成果は、米国物理学会誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版に掲載された。 これまで炭素結晶は、4本の電子結合を持つダイヤモンドのほか、3本の電子結合によるグラファイトだけとされていた。 伊藤研究員が存在を証明した新結晶は、ダイヤモンドとグラファイトの中間的な性質を持つ。グラファイト同様、一つの炭素原子に対し三つの炭素原子が対称的に結合。自由電子を1個持つためグラファイトのように電流を通す。 ダイヤモンドほどは固くないが電気を通し、グラファイトほどもろくもないため、集積回路など工業用材料として扱いやすい性質という。 炭素の新結晶は、東北大名誉教授の砂田利一明治大教授(幾何学)が2008年、数学的な手法で存在を示し、大きな反響を呼んだ。しかし原子の結合の強さや特性などは不明だった。 今回の研究には、理学研究科の小谷元子教授(幾何学)や金属材料研究所の川添良幸教授(計算材料学)、多元研の阿尻雅文教授(化学工学)らも参加した。
2009年02月10日火曜日
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