準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金持ち込み事件で、東京地検特捜部は10日、外為法違反罪で、前社長国沢幹雄容疑者(70)を起訴、法人としての同社を略式起訴した。同容疑者は元海外担当副社長藤巻恵次被告(68)=同罪で起訴=に裏金の持ち込みを指示していたという。
起訴状などによると、国沢容疑者は藤巻被告らと共謀。元海外事業部副事業部長高原和彦被告(64)=同罪などで起訴=に指示し、2006年2月から07年8月にかけ、5回にわたり、海外事業で不正に捻出(ねんしゅつ)した裏金のうち計7000万円を税関に申告せず、日本に持ち込んだ。
裏金は、国内の工作活動に使う目的で持ち込まれたといい、特捜部は、引き続き具体的な使い道についても慎重に調べを進める方針。
【関連ニュース】
・
裏金持ち込み、元副社長ら起訴=西松建設、国内外工作に
・
弁護士らの諮問委を設置=西松建設
・
「一部幹部の関与」強調=内部調査委、機能せず
・
西松建設を指名停止3カ月=国交省