ロシア政府、民間債務の再編検討を否定

2009年 02月 10日 18:45 JST
 
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 [モスクワ 10日 ロイター] ロシア政府は10日、民間債務の再編検討を否定した。10日付の日経新聞朝刊は、ロシアの銀行業界が最大4000億ドルの民間債務繰り延べに関する欧州その他外国銀行との交渉で、政府に支援を要請すると報じた。

 これについてクドリン副首相兼財務相はロイターに「ロシア連邦政府に、ロシアの銀行、企業の債務再編問題を検討する計画はない」と語った。

 日経の報道を受けて外為市場ではユーロ売りが殺到。またロシア政府当局者らの否定発言が相次いだ。

 発言者として日経に名前が報じられたロシア地域銀行協会のアクサコフ会長も記事は「正しくない」と述べ、民間債務再編はアイデアにすぎず、政府には案を提出していないと付け加えた。

 会長は「新聞でわたしの発言として書かれたことは正しくない」とし、「すべての債権者が債務再編で合意すれば、良いのではないかというアイデアだ。重要なのは、外国銀行が一括して再編する方針を好み、ロシア政府の関与を望む点だ」と述べた。 

 報道ではまた、英HSBC(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)(0005.HK: 株価, 企業情報, レポート)やドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)などの外国銀行の一部が交渉開始を求めていると伝えられた。ドイツ銀行とHSBCはコメントを拒否した。

 ロシア首相府のペスコフ報道官は「政府にそうした計画はない。再編問題での外国銀行との交渉に関する情報は現実を反映していない」と述べた。

 外為市場では、報道を受けてユーロが急落し、ドルと円に対して一時1%超下げた。

 ラボバンク・グローバル・フィナンシャル・マーケッツ(香港)の調査責任者、ジャン・ラムブレグツ氏は「ロシアにとって良くないことはユーロにとっても良くないというおなじみのケースだ」と指摘した。

 欧州とロシアとの経済関係に加え、ロシアの通貨ルーブルはユーロとドルで構成される通貨バスケットにリンクしている。

 
 
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