北海道新聞　道新スポーツ　Hokkaido Shimbun Press

　韓流スターを思わせる甘いマスクとさわやかな笑顔の持ち主だ。だが、そのルックスからは想像できないほど、ピッチでは闘志をむき出しにする。

　韓国では審判への抗議が激しすぎて６試合の出場停止を食らったこともある。ピッチ内外での変ぼうぶりに「スーパーマン」と呼ばれていた。「試合を見て、みなさん驚くかもしれません。ラフプレーは大目に見て」とさわやかに語る。好きな選手はスペイン・バルセロナのセンターバック、プジョール。「熱いプレーが自分と重なるから」

　クラブ史上初めての韓国人選手。昨季Ｊ２降格の主原因となった守備の立て直しのキーマンと期待されている。箕輪と曽田がけがで開幕に間に合わないため、開幕レギュラーは確実だろう。

　持ち味は高い身体能力。スピードがあるので、センターバック以外に右サイドバックもできる。だが、「中学生のころは医者から『スポーツをやめなさい』と忠告されたほど体が弱かった」。好きなサッカーを続けるため、山登りで体を鍛えた結果、強靱（きょうじん）な下半身ができあがった。その足の太さから「象」とあだ名がつくほどに成長した。

　石崎監督のハードな練習が終わった後でも居残り練習を欠かさず、一人で黙々とジャンプとダッシュを繰り返す。

　本当の武器は身体能力でなく、意志の強さかもしれない。

＜略歴＞
　チョウ・ソンファン　１８３センチ、７７キロ。韓国・ソウル市出身。２００１年に同国Ｋリーグの水原三星に入団、０５年に浦項に移籍。０４年にＵ−２３代表、０８年にはフル代表に選ばれている。