新中央病院が完成
北関東局が鍵引き渡し
4月3日診療開始
新中央病院が完成、鍵引渡式であいさつする鎌田北関東防衛局長(1月30日、東京・三宿駐屯地で)
東京・三宿駐屯地内に建設中だった自衛隊中央病院(渡辺千之院長)の新病院が完成し、1月30日、建物の鍵引渡式が行われた。
式は同日午前10時半から新病院1階エントランスホールで行われ、施設建設を担当した北関東防衛局、建設に携わった関係会社代表、渡辺院長ら病院幹部の合わせて約50人が出席。
開式に続いて鎌田良昭北関東局長が病院施設の概要を説明するとともに、「自衛隊中央病院の素晴らしい医療スタッフに加え、新病院が完成することにより最先端の医療や治療が可能になることは、いわば鬼に金棒。建設にかかわった関係者の皆さんに対し改めて深く感謝します」とあいさつ。鎌田局長から渡辺病院長に記念鍵が手渡された。
渡辺病院長は謝辞で「鍵の引き渡しを受け、十数年前に建て替え基本構想を院内で検討し始めたころには夢であった新病院がいよいよ現実のものになったと実感し身の引き締まる思い」と述べるとともに、「この建物に魂をふきこみ、多くの患者を迎え健康の回復を提供する機能体に育て上げるのは、本日バトンタッチを受けた我々の役割。今後、陸海空3自衛隊医療の中核病院として国民の負託に応えられる病院にしていく決意」と述べた。
中央病院では3月18日の開院式後、4月1日に旧病棟の入院患者を新病棟に移送し、同3日から外来診療を開始する。
新病院は、自衛隊の行う高度医療に立脚した診療体制の保有、震災時などでも診療機能を維持できる体制ーを基本方針に平成14年度に本格着工した。鉄骨一部鉄筋コンクリート造地上10階、地下3階、延べ床面積約6万8000平方メートルで、ベッド数500床は現病院と変わらないが、地上階は2倍、延べ床面積は約2倍半になり、大規模災害時には1000床までの収容能力をもたせている。
また、災害に強い病院を目指して免震装置を取り入れたほか、電力などエネルギーの効率的利用を図るコジェネレーションシステムや、屋上には緊急時の患者搬送のためのヘリポートも設置された。
正面エントランスには屋根付きの広いスペースを確保、災害時にはトリアージ(重症度の判定)のスペースとして活用できる。1、2階の外来診療部門はエスカレーターで結ばれ、中央のエレベーターホールは一般乗用とスタッフ利用のスペースに区分されている。
病室は4床室が74、2床室36、1床室は118で、それぞれトイレユニットが設置されている。各病棟は東と西をテーマカラーで大別し、病室の入り口には、部屋別に花の絵柄をあしらったカラーパネルを用いるなど、患者の目にも楽しめる室名が標示されている。