「消防と医療の連携強化を」―消防審議会答申
総務省消防庁の消防審議会(吉井博明会長)は2月9日、救急搬送・受け入れを円滑にするため、都道府県によるルール作りを求める答申を岡本保長官に行った。これを受け同庁では、答申内容を踏まえた改正消防法案を今通常国会に提出する。答申では、2007年に発生した重症以上の救急搬送の約4.0%、産科・周産期搬送の約5.7%で、搬送先の選定が困難だった状況を指摘。消防と医療の連携強化により、こうしたケースを未然に防ぐことを「喫緊の課題」に位置付けている。
【関連記事】
救急出動、1年間で19万件減
救急救命体制、5倍増の4.7億円−総務省消防庁予算案
救急出動件数が過去最多―消防白書
今年上半期の救急出動、9万件減少
救急医療の普及啓発イベントを開催
そのための具体策として、救急搬送・受け入れの実施に関するルール作りと、救急搬送・受け入れの円滑化について協議する組織の設置を提言。これらの早期の制度化と共に、実施状況の検証や必要に応じた見直しを求めている。
このうち、救急搬送・受け入れの実施に関するルールとして具体的には、▽傷病者の状況に応じた搬送先リストの作成▽消防機関が傷病者の状況を確認し、リストの中から搬送先を決める際のルール作り▽搬送先が速やかに決まらない場合に傷病者を受け入れる医療機関の確保−を掲げている。
一方、救急搬送・受け入れの円滑化について協議する組織の具体的な役割としては、救急搬送・受け入れの実施に関するルール作りに向けた協議のほか、救急業務に関する調査・検証の実施などを挙げている。この組織には、消防、医療機関のほか、行政や各団体の関係者らが参加するが、メディカルコントロール協議会などが既にある場合には、それらの活用を図ることが「より効率的で実効性が高い」としている。
答申では、救急医療に従事する医師や施設・設備の確保などを「国として中・長期的に取り組むべき課題」に位置付ける一方、「当面の課題」として、現在の医療体制の下で受け入れ先の選定が困難な事例をなくす重要性を指摘。さらに、医療提供体制の整備が市町村よりも広域単位で整備されているため、これらの対策は都道府県主導で検討すべきだと提案している。
更新:2009/02/10 21:10 キャリアブレイン
新着記事
「消防と医療の連携強化を」―消防審議会答申(2009/02/10 21:10)
難病対策委、6年半ぶりに開催−厚労省(2009/02/10 21:04)
業務管理体制の届け出は10月末まで−介護保険 ...(2009/02/10 14:48)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第48回】大橋謙策さん(日本社会事業大学長) 福祉や介護の人材不足が懸念される中、専門大学として評価が高まる日本社会事業大の大橋謙策学長は、生きる意欲を引き出す福祉プログラムやケアマネジメントが求められていると指摘する。また、インドネシアなどから介護士候補が来日する中、福祉・介護人材の国際的な流動 ...
石原晋さんが島根県邑南町の公立邑智病院(一般病床98床)の院長に就任して1年半がたった。当初は5割を割り込んでいた病床利用率が7割台に回復するなど、改革の成果が表れ始めている。院長としてこれまで最も重視してきたのが、「助け合い、教え合い」の精神だ。石原さんは「特定の専門分野に固執しない、何でもでき ...
WEEKLY
子どもや若者の間で、重い場合は10歳前後で永久歯を抜歯するなど口腔内の「健康格差」が深刻化しています。「口腔崩壊」の実態に迫りました。