大分県由布市挾間町の鮮魚会社「甲斐水産」(甲斐七夫社長)が販売したマフグの卵巣による中毒事件で、無資格の従業員(23)がマフグを調理していたことが同県の調べで分かった。県警は9日、マフグの卵巣の販売を禁じた食品衛生法違反(有害物の販売禁止)の疑いで同社などを家宅捜索し、関連資料など約50点を押収した。卵巣の販売経緯などを調べる。
県によると、県内のフグ調理は県への届け出義務があるが、同社は無届けだった。さらに処理者の登録を条例で定めているが、同社の登録者は甲斐社長一人だけで事件の調理には立ち会っていなかった。従業員は「卵巣は食べられると思っていた」と話し、この1年間で数回フグの処理をしていたという。
事件では、同市内の男性(67)が6日に2パックの卵巣を購入。一つを大分市内の兄(71)に分け、それぞれ7日に食べた。2人は一時、呼吸困難になったが快方に向かっているという。県は8日から14日まで、同社を営業停止処分にした。
また、同社がテナントとして入居しているマルミヤストア(大分県佐伯市)は9日、九州4県にある36店舗で、3月末までのフグの販売自粛を決めた。
=2009/02/10付 西日本新聞朝刊=
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