外務省公式サイトにも「ラスク書簡」

2008/07/26 19:19

 

外務省公式サイトにも「ラスク書簡」

 一昨日、転載した記事「『竹島』ラスク米国務次官補の書簡」について、外務省の公式サイトの中の「各国・地域情勢」の中にもその記載があると、ブログのご意見番masato氏より以下のコメントを頂いた。

 2006年というより、1994年の塚本論文で明らかになっていることですね。外務省のWEB記述においてもラスク書簡に則った記述がなされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/g_sfjoyaku.html
 ということは、日韓双方の政府レベルは周知のことだと考えられます。どういう理由があるか知りませんが、双方が交渉時に表面化させていないだけですね。交渉しているかどうかも怪しい。竹島問題は、韓国の国内用カードとして有効性があるだけで、日本が竹島をどのように記述しようが関係ないみたいです。ゆえに、不明確に記述するしても、明確に記述するしても、韓国側は同じ程度の反応を示すでしょう。日本が言えば言うほど、窮地に陥るのは半島です。それこそ、仕事もしないで火病るから、自滅の道を歩むでしょう。今回の場合は、間違いなく大統領支持率のアップ狙いでしょう。言論が統制されている国だから、政府が黙っていりゃ、国民は知る由も無いでしょう。そこが日本と韓国の大きな違いですね。李大統領、早々にカードを切ったのは良いが、あとカードが何枚手元にあるんだろ(笑)

 確かに、日韓両政府はこの事実を周知しているはずである。韓国側がこの事実に触れたくない理由は分かる。このような事実を持ち出したら、自分たちが不利になることを知っているからである。外務省が同じく「海外安全ホームページ」に記載している韓国に対する記述には敏感に反応するのに、この記述に触れていないのは、いかにも不自然であり、黙殺していることはみえみえなのである。また、韓国の歴代政権が、前政権を否定するところから始めていることからも、密約(日韓漁業協定締結の際、竹島を棚上げにするという合意)を受け継いでいるとはとうてい思えないのである。

 しかし、なぜ日本政府はこの歴然とした事実を、公の場で韓国側に突きつけないのであろうか。日本政府だけがそのときの密約を、国際慣例に従って頑なに守りつづけているだけなのであろうか‥‥。韓国人にとって「竹島」はmasato氏が指摘されるように、国内向けのカードにしか過ぎない。韓国人にとって「竹島」は民族的カタルシス(鬱憤の解放、快感、浄化)であり、時の為政者もこのカードにより一方的な情報操作によって国民のマインドコントロールが思いのほか進んだため、韓国はたとえ政権が代わろうともこの有効なカードを絶対に手放すわけがないのである。

 結局、なぜ日本政府がこの「ラスク書簡」というカードを韓国側に突きつけないのかといえば、一言でいって「やる気がない」のである。拉致問題同様、わが国に対する重大な主権の侵害だとは考えていないのである。何度も言うようだが、この問題は「外交的配慮」というような次元の話ではない。それこそ、戦争をも辞さない構えで臨まなければならない、国家としての威信に関わる重大問題なのである。政府は、この「ラスク書簡」を、ウェブサイトの片隅に申しわけ程度に記載しておくのではなく、有効な外交カードとして有用してもらいたい。

サンフランシスコ平和条約における竹島の扱い (外務省


1.概 説


 1952年1月、韓国は「海洋主権宣言」を行い、いわゆる「李承晩ライン」を公海上に線引きして、国際法に反して同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張するとともに、竹島をそのライン内に取込みました。韓国はその後、SCAPIN677やSCAPIN1033を根拠に、連合国もまた竹島韓国領土であると認めていたとの主張をしています。しかし、李承晩ラインの設定に先立つ「日本国との平和条約」(サンフランシスコ平和条約)の草案起草過程において、日本が放棄すべき地域の1つに竹島を明記するよう要求した韓国政府に対し、米国は、竹島は「朝鮮の一部として取り扱われたことがなく」、「かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない」として、明確に韓国側の主張を否定しています。

2.経 緯

(1)1951(昭和26)年9月に署名されたサンフランシスコ平和条約は、日本による朝鮮の独立承認を規定するとともに、日本が放棄すべき地域として「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」と規定しました。

(2)この部分に関する米英両国による草案内容を承知した韓国は、同年7月、梁(ヤン)駐米韓国大使からアチソン米国務長官宛の書簡を提出しました。その内容は、「我が政府は、第2条a項の『放棄する』という語を『(日本国が)朝鮮並びに済州島、巨文島、鬱陵島、独島及びパラン島を含む日本による朝鮮の併合前に朝鮮の一部であった島々に対するすべての権利、権原及び請求権を1945年8月9日に放棄したことを確認する。』に置き換えることを要望する。」というものでした。

(3)この韓国側の意見書に対し、米国は、同年8月、ラスク極東担当国務次官補から梁大使への書簡をもって以下のとおり回答しました。
 「・・・合衆国政府は、1945年8月9日の日本によるポツダム宣言受諾が同宣言で取り扱われた地域に対する日本の正式ないし最終的な主権放棄を構成するという理論を(サンフランシスコ平和)条約がとるべきだとは思わない。ドク島、または竹島ないしリアンクール岩として知られる島に関しては、この通常無人である岩島は、我々の情報によれば朝鮮の一部として取り扱われたことが決してなく、1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下にある。この島は、かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない。・・・・」

 これらのやり取りを踏まえれば、竹島は我が国の領土であるということが肯定されていることは明らかです。

サンフランシスコ平和条約抜粋(PDF)
梁駐米韓国大使からアチソン米国務長官に宛てた書簡(PDF)
ラスク極東担当国務次官補から梁駐米韓国大使に宛てた書簡(PDF)

参 考
外務省ホームページ



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2008/07/26 21:13

Commented by 相模 さん

>日本政府がこの「ラスク書簡」というカードを韓国側に突きつけないのかといえば、一言でいって「やる気がない」のである。

このやる気がない政治家・役人のメンタリティは、若者の無差別殺人事件同様の、「社会性の喪失」に類似して見えます。福田さんはサミットが上首尾に終ったと1人で喜んでいるそうですが、社会性がないからはしゃげるのです。
役人も波風立たぬ世界が理想の世界、と思い定めたように変化を望まない。
この閉塞感の中、思いつめた者が暗殺を企まないか心配です。

 
 

2008/07/27 04:30

Commented by shiraty1129 さん

To seelischさん
福田総理にはつくづく失望しています。
あんな国を平気で売るような
自国の国益よりも他国の国益を重視するような人が
わが国の首相であることが情けないです。
やはり、党利党略、派利派略しか
今の政治家は考えていないのではないでしょうか。

 
 
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