豪山火事、死者１７０人に　首相が放火を非難

（ＣＮＮ）　オーストラリア南東部ビクトリア州の山火事による死者１０日までに少なくとも１７０人に達し、３０００人以上が避難、家屋８００軒が全焼した。捜査当局は一部火災が放火によるものと見ており、ラッド首相は９日に「大量殺人」と厳しく非難した。

地元放送局の関係者がＣＮＮに語ったところによると、依然鎮火していない火災は、１０日現在で２５カ所にのぼっている。首相は山火事関連の深刻なニュースが今後も増えるとの見通しを示すとともに、放火が「大量殺人と言うほかにない」とコメントした。首相によると、捜索救助活動や被災者支援のため、４００人規模の部隊が火災発生地域に派遣される。

オーストラリアでは毎年山火事が発生しているが、１９８３年に７５人が死亡した「灰の水曜日」を大幅に上回る史上最悪の被害状況は、同国を揺るがしている。今年は干ばつや森林の乾燥、気温４８度の記録的熱波という複数の要素が重なったうえ、放火の可能性も浮上した。死者数は今後も増えると予想されている。