韓国で今、セキュリティー業界の株価急上昇
経済の低迷が続く中、韓国の証券市場でいわゆるセキュリティー業界の株価が急上昇しています。不景気の中、生活のために罪を犯す者が増えたことで、市民の生活を犯罪から守る産業が急成長しているというわけです。
大検察庁(日本の最高検察庁に相当)の発表によると、昨年前半には毎月減少の一途をたどっていた犯罪率が、世界的な金融危機で不安感が広がった8月以降は一転して増加の一途をたどっています。アジア通貨危機直後の1998年に犯罪率が急上昇し、11%を超えたことを比較すると、景気の悪化と犯罪の発生率にはある程度相関関係があるという見方もあります。
それに加え、女性連続殺人犯のカン・ホスン容疑者(39)が逮捕され、類似事件も相次ぐ中、全国各地で監視カメラの需要が増えており、このこともまたセキュリティー企業の株価を押し上げています。
京畿道は凶悪犯罪の多発地帯となっている南西部一帯を中心に、今年末までに監視カメラを新たに約1400台設置することを決めました。また、ソウル市教育庁も今年中に、すべての幼稚園と小・中・高校に監視カメラを設置する意向であることが分かりました。このほか、大検察庁などの公的機関や国営企業が、指紋を認識して出入りを統制するシステムを導入することも予想されています。
あるインターネット上のショッピングモールでは、カン容疑者が逮捕された直後、護身用のホイッスルやスプレーなどの売り上げが2倍に増えたといいます。また、家族や友人の居場所を確認するため、携帯電話の位置情報追跡サービスの利用を申請する人も増えており、通信会社の需要も押し上げています。SKテレコムやKTFなどの主な通信会社の位置情報追跡サービスの申請件数は最近、2倍から6倍程度まで増えているといいます。
これについてハンファ証券は「韓国経済が今年、予想通りマイナス成長を記録した場合、犯罪率は急激に高まる可能性があり、一方でセキュリティー関連企業は特需に沸くだろう」との見通しを示しました。
景気の低迷によって犯罪が増え、それによってセキュリティー企業の株が上がっているという事実にはやるせなさを感じます。早く景気が回復し、証券市場でも明るいニュースが伝わることを願ってやみません。
チェ・ヒョンソク記者
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