平成20年10月29日(水)

各  位

株式会社エキスポランド
取締役社長 清水 忠一

 

 

民事再生手続き開始申し立てに関するお知らせ


 当社は、今般民事再生手続き開始の申し立てを行うことを決議し、10月28日大阪地方裁判所に申し立てを行い受理され、直ちに同裁判所より弁済禁止の保全命令および監督命令が発せられましたので、下記の通りお知らせいたします。
 このような事態となり、独立行政法人日本万国博覧会記念機構様、株主様、お取引先様、他関係する皆様に対しまして多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとなり、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
 今後は、裁判所及び監督委員の指導監督のもと、役職員一同、再生に向けて全力を尽して参りますので、何卒ご理解とご支援を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。



1.申し立ての理由

 当社は、日本万国博覧会(昭和45年3月15日~同年9月13日)で人気を博したレクリエーションゾーン・エキスポランドの再開に当たり、昭和46年10月1日エキスポランドの管理運営会社として発足いたしました。
 エキスポランドの再開は、博覧会跡地利用懇談会に寄せられた、北摂七市(吹田・豊中・池田・箕面・摂津・茨木・高槻)市長会からの要望が基軸となり、多くの市民の期待の中で、万博開催から2年後、昭和47年3月14日オープンいたしました。
 そして、オープン以来35年間、お客様には大きな事故もなく、8,300万人の大勢の来場者をお迎えして参りました。
 オープン当初は、万博人気を継続するかたちで、年間入園者数が200万人を超え、その後も、多彩なイベントを開催するなど、動員対策を講じて、単体遊園地としては、画期的ともいえる安定した経営を続けて参りました。

ところが、再開から35年目の昨年(平成19年)5月5日、当園を代表する人気遊戯施設の一つ「風神雷神U」が脱線、お客様一名の尊い人命を奪い、19名のお客様に怪我を負わせ、これにより、当社の安全管理体制の不備を社会的に糾弾される事態となり、全施設の営業を中止し、休園するに至りました。
休園期間中、全遊戯施設の総点検を実施し、安全管理体制を根本的に見直し、吹田市の検査を経て、同年8月10日プールの営業とともに全施設の営業を再開いたしました。
しかしながら、エキスポランドに対するイメージの悪化は避けられず、更には広告宣伝活動の要であるテレビCMの放映ができなくなるなど、厳しい営業対策を強いられるに至りました。
このような状況の中で、事態を打開すべく、プール営業終了後の秋から冬にかけては例年の予算にプラスしてイベントの開催を積極的に進め、顧客動員対策を図ってまいりましたが、入園者数は前年比80%の減少となり、累積赤字を増やす結果を招きました。よってこれ以上の営業継続は難しいとの経営判断に至り、同年12月10日から、二度目の休業体制に入ることを余儀なくされました。

当社はこのような経過を真摯に受け止め、遊園地経営を根本的に見直すこととし、従来のスリルライド中心の施設構成を、少子高齢化社会を見据えた、ファミリー中心の、万博公園のレクリエーションゾーンにふさわしい遊園地に再生すべくマスタープランを練り直し、従来からの参画企業の枠を超えて外部の有力企業にも協力を働きかけて折衝を続けて参りましたが、結局営業再生軌道に乗せられる協力を得るまでには至りませんでした。
 
その大きな原因としては、事故を起こしたエキスポランドのイメージダウンがあり、顧客の信頼回復までには時間を要するとの判断があることでした。また一方、万博公園という公的公園の遊園地の管理運営を担う当社が、民間の発想とは相容れない規制事項に縛られながら、今日まで経営を維持できてきたのは、万博公園というロケーションと経営努力並びに、関係各位の良きご指導の結果であります。
 
昨年12月10日以降、休業体制を維持し、営業再建のためにあらゆる手立てを尽くし可能性を探って参りましたが、金融機関からのこれ以上の融資は望めない状況の中、やむを得ず、本件申し立てに至ったものであります。


2.負債総額

 約16億円

3.今後の見通し

今後につきましては、裁判所及び監督委員である塩路広海弁護士の指導監督のもと、独立行政法人日本万国博覧会記念機構、金融機関各位、取引先各位をはじめとする関係各位のご支援、ご協力を賜り、事業の円滑な遂行に務め、信頼回復と事業再建に向けて全力を尽くす所存でございます。
 園内改善の方向性としましては、既存施設に加えて、ふれあい動物園を軸にバードショーやドックショーなどのさまざまな動物のパフォーマンス、新しい遊戯機械として子ども用ゴーカートを設置する予定で、ファミリータイプの遊園地として、再生を図ってまいりたいと考えております。
独立行政法人日本万国博覧会記念機構様、株主様、お取引先様他、関係する皆様方に対しまして、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げますとともに、エキスポランドの再建に関しまして、ご理解とご支援を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。

<ご参考>
1.申し立ての概要
 (1)申立日        平成20年10月28日(火)
 (2)弁済禁止の保全命令  同日
 (3)監督命令       同日
 (4)管轄裁判所      大阪地方裁判所
 (5)事件番号       平成20年(再) 第75号
 (6)申立代理人      神田・奥野・泉法律事務所、大村法律事務所 
               神田弁護士他3名
   (問合せ先)      TEL:06-6363-0401
               FAX:06-6363-0815
2.会社の概況
 (1)商号         株式会社エキスポランド
 (2)所在地        吹田市千里万博公園1番1号
 (3)設立年月日      昭和46年10月1日
 (4)代表者        清水 忠一
 (5)資本金        1億円
 (6)発行済株式総数    20万株

以上