2006年05月11日

反日デタラメ情報

 アルフレッド・スムラー氏は1911年パリ生まれで、大戦後、フランス最大の通信社AFP特派員として朝鮮戦争を取材に来たのをきっかけにして、ずっと東京に住んでいた、フランス人きっての日本通です。
アルフレッド・スムラー著
「ニッポンは誤解されている」1988年版より

smoular.jpg
はしがきで氏は次のように述べています。

引用開始
 「私が本書を書くにいたったのは、何はともあれそれが必要であり、反日デタラメ情報と悪宣伝を相手に闘わなければならないと考えたからである」。
・・・略・・・
 本書は長い間の鬱憤の産物で、その鬱憤をかきたてたのは、幾人かのいわゆるエキスパートや、えらそうにかまえる専門家やジャーナリストや、しごく公正を欠くくせに裁判官ぶるその他の連中の無知とか、こばかにした言動とか、誠実さに欠ける点である。これらの非日本人のひどい連中に日本人まで一枚加わって、時には自分達で反省することもなく彼らに同調し、彼らの誤った結論を認めるのである
 私は場合によっては歯に衣きせず論じ、相手が誰であろうと悪宣伝の張本人を名指しでこっぴどくやっつけても、まるきりすまないとは思わぬ。物書きとして責任があるのは、真実を伝えるべき読者に対してであって、手心を加えなければならないような同業の物書きに対してではない。・・・・反日悪宣伝は日本人のためにも、とりわけ非日本人のためにもならないのである」。
はしがきからの引用終わり

本文からの引用
 マルクス主義を名乗り、この宗教にとらわれたままになっている人達は、毎日のように軌道修正を余儀なくされており、さながら上程法案の内容を変えようとする議会の修正案乱発を思わせる。
 実際に、いわゆる資本主義政権の方が社会的な面では、いわゆる社会主義(実際には共産主義)政権よりずっと進んでいることは、はっきり見てとれる。いわゆる社会主義政権の寡頭指導体制は、もっともひどい民間資本主義システムの場合をも上回る厳しさをもつ国家資本主義を実践しているのである。(現在「資本主義」側、「社会主義」側ともに望んでいるように、世界を経済的基盤に基づいて区分けすることは、非科学的である。個人が、その所属する社会内部でどの程度の自由度、ないし隷属度に置かれているかによって、大雑把な区分けの目安にした方が有利であろう。)
・・・略・・・
 
 別に日本人戦犯の責任を軽減するつもりは毛頭ないが、占領地域で最も嫌われたのは、このころ日本国籍を持っていた朝鮮人だったことに注意しておかなければならない。その多くは憲兵隊に属し、のち戦犯に指定された。
たとえば戦後十年たってインドネシアで現地民の証人たちが私に話してくれたところによると、彼らは当時これらの警察官から自分たちを保護してくれた点では日本の陸、海軍に感謝しているそうだ。
・・・略・・・
 日本人が、すべての征服者同様にまず自分自身の利益を考えたからといって、他の殖民国以上に非難を集中することもできない。
日本人はこれらの地域に相当な援助を与えたし、日本式農法は、導入された至る所で成果をあげた。また現地の教育水準を上げたし、現地住民以上に、占領している土地の過去に関心を払った。
 戦前に統治を委任されていた南太平洋の諸島でも、数十年にわたり支配を続けた台湾でも、日本人がよい思い出を残していることに注目するのはごく当然の話である
・・・台湾の場合、日本敗戦のため中国に主権が返還されたものの、中国側はかつて大陸から移住した歴史を持ちながら、かならずしも中国による統治を望んでいない台湾住民をあらためて中国化しなければならなかった。・・・
 日本人はまた、断固として、といってもこの厳しさは、多くの元植民地国の指導者たちが現在とっているやり方に比べれば児戯にひとしい程度のものだが、原住民の首狩族による掠奪や中国的な賄賂強要などの搾取行為に終止符を打った。「彼らは時には厳しかったが、公正だった」と日本人の引き上げ後、台湾の人達が私によく言ったものである。
 多くの日本人が献身的に台湾の発展に尽くした。尽力は単に物質的な面にとどまらなかった。・・・したがって日本人は、他の国の一部の人達が、自分たちもかつて殖民国家だったくせに、騒ぎ立てたような「悪玉の植民地主義者」などではないし、こういう善行面では何ら赤面するにはおよばない。・・・略・・・

反日にせ宣伝対処
 「非日本人自身が日本発見に乗り出した場合、日本としてはあるがままの姿を見せた方がむしろ効果的だと思われる。すでに多くの誠実な訪問者が、日本に来る前に警告を受けていたような日本の悪い面など見られなかったことを確認して、うれしい驚きを味わっているのだ」。
引用終わり

 氏は、靖国問題も含めて、「日本が未だに過去の戦争について謝罪をしているのは理解できない、もしそうなら、我々はナポレオンの戦争について謝罪が必要ということになるが、どの国からもそんな声は聞こえない」という意味のことを言っています。
posted by 小楠 at 07:42| Comment(3) | TrackBack(1) | 書棚の中の日本
この記事へのコメント
中国・韓国によって日本の近現代史は大きく歪曲・捏造され、あたかもそれが事実であったかのごとく同調する日本の左翼政党や日教組の存在、同じ日本人の血が流れているのでしょうか。しかし全体的にみて日本人の誠実と謙虚さが誤解を招いてきた事も否めません。大陸中国人とその半島韓国人の本質を、徐々に世界の人々も知るところになっているし、これからは強い日本を打ち出して行くのが必要でしょう。
Posted by カピタン at 2006年05月11日 15:56
>占領地域で最も嫌われたのは、このころ日本国籍を持っていた朝鮮人だったことに注意しておかなければならない。その多くは憲兵隊に属し、のち戦犯に指定された。


「朝鮮人は日本に強制連行され、捕虜に関する監視などの仕事をやらされ、顔を覚えられた聯合国兵士によって告発され処刑された可哀相な被害者である」

丁度今読んでいる東京裁判関係の本の中に上記「」内のような構図で朝鮮人戦犯を考えている学者の意見を見ました。戦争裁判や過去の歴史を見た場合、「被害者と加害者」「支配者と被支配者」といった単純で誤った見方ではなく、より客観的で真摯な研究が(広まることが)必要なのを痛感いたします。
Posted by 何某 at 2006年05月12日 00:07
カピタン様、有難うございます。
>>日本人の誠実と謙虚さが誤解を招いてきた。
ここですよね、一歩国外へ出たら日本人の常識は高尚過ぎるんでしょう。これも相手にウムを言わせぬ高尚さが必要ですね。

何某様
あちらは何でも「やらされた」的な思考で、歴史的にも自主的に何かやったということがほとんど無いのでしょう。自国の独立もやってもらったと認識していればいいのですが。
かの国には歴史的事実だけで論破できるから、かえって単純な相手かも知れません。
Posted by 小楠 at 2006年05月12日 07:08
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