週刊金曜日のスタッフの編集後記<金曜日から>
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ほとんどの本が、その存在自体を知られることはない。”出版不況”というのは簡単だが、こういうときこそ、まったく違う商品を学び、他業界の動向を捉え、出版業界の立ち位置を見極めたい。他を知ることで見えてくるものである。
佐藤優さんの小社よりの最新刊『世界認識のための情報術』も、世界情勢を理解することで、日本をより考えることができる。
その『世界認識のための情報術』の刊行を記念し、・・・・
・・・近況を織り交ぜた佐藤優さんのお話で、さらにリアルな世界を感じることができます。
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まるで台所事情から右翼勢力にも色気を出してみましたと聞こえるが。
週刊金曜日の人気論客佐藤優さんの記事で世界情勢を理解させてもらおう。
<佐藤優の飛耳長目 30>「グルジア問題を解決には「民族」を超えるしかない」から、
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現役外交官時代、筆者はモスクワの日本大使館で民族問題を担当していた。その結果、ナショナリズム(民族主義)に関しては、現代人の病理であるという認識を強く持つようになった。
大多数の人々にとって宗教が生き死にの原理でなくなった世俗化された現代世界において、「民族のために」という観念は信仰に代替する機能を果たす。「民族のために」人間は文字通り自らの命を差し出すことができるのだ。
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それを「病理」というならナショナリズム自体の問題であって、「政教一致」なら「宗教」が「民族国家」を意識するなら「民族」がナショナリズムの対象になるだけの話だろう。それで「現代人」が「民族のために」自らの命を差し出す病理をもっているとはあまりにも短絡的。
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中略
メドベージェフ大統領の発言には、ロシア国境外であってもロシア帝国の国益に関わる場合は他国の国家主権を制限するという含みがあるからだ。ロシアが唱える「制限主権論」に対して、国際社会が団結して歯止めをかけなくてはならない。現状で、ロシア抜きの平和維持軍を南オセチアに派遣することは考えられない。それならば、ブルガリア、ウクライナなどスラブ系、正教文化圏に属し、かつグルジアと友好関係をもち、オセアチア人に対しても敵対感情を持っていない諸国からも南オセアチアに軍隊を派遣し、ロシア軍の行き過ぎがないように監視するメカニズムを作ることである。
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ロシアの唱える「制限主権論」?バカじゃないのか。まるで米国の言い分だな。米国も同じことをしているのだから、ロシアだけを非難するのはおかしいし、紛争解決に対しても実際的じゃない。そんな分析がプロパガンダ以外に何の意味があるんだ。
佐藤は、グルジア人とオセチア人の「民族独裁主義」(?)こそグルジア問題の原因であると始めておきながらロシアの行動を非難する。それなら米露の対立構造にも言及すべきなのだが、それは都合悪いらしい。
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本件は、民族を基準にしては永遠に解決できない。民族的な差異には敏感であるが、民族を超える自由、民主主義、友愛、人間性という普遍的価値によって、オセアチア、グルジア、ロシアをつなぐ架け橋をつくることに努力すべきだ。
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小学生の作文だな。
リアル国際情勢は、これまでソ連の崩壊で弱体化したロシア勢力に米国が手を突っ込んで来たことに対する、力を回復したロシアの巻き返しとみて、この先「新冷戦」になるかと懸念されている。
毎度の事ながら、今回のグルジア問題を「民族主義」だけで読み解く佐藤のトンデモぶりに呆れる。
こんな佐藤の分析でリアルな世界を感じ取れるのか。週刊金曜日のスタッフはすごいね。(笑)
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