テーマ1:「名探偵ホームズ」
(其の2)
 
 
 
座談会参加者
()内=ホームズ放映当時、あなたは...
大塚 (別作品に参加。ホームズでは少しだけ原画を描く)
友永 (イメージボード&原画)
Tom (原画その他いろいろ)
Michi (原画その他)
田中 (原画)
八崎 (動画)
Kei (動画)
(動画)
アヒルッチ :以下アヒル(一般視聴者)
しょーじ :以下しょ(一般視聴者)
 
〜背景美術の世界はきびしい?〜
   
Kei 「ホームズって、背景きれいでしたよね。それまでって、家の中の壁紙とかそういうのってそれほど描いてなかったのが、ホームズくらいからだんだん...」
友永 「山ちゃん(笑)」
大塚 「山ちゃん..なのと、原図もきれいになってったね」
八崎 「一話の頃サインペンで線をたどってましたよね。それがだんだんなくなっちゃって」
Michi 「じゃりン子チエのあとでしたよね?」
八崎 「そう。あと」
大塚 「美術っていうのはさ、原図ちゃんと描くとてきめんに反映するね。原図をバッと手を抜くとちゃんと手を抜くね」
田中 「山本さん、ホームズの時一個一個煉瓦の色変えてたんですよ」
 
石畳と煉瓦の緻密な描写
 
友永 「山ちゃんはね、ニモでアメリカのDNYのを見たときにカルチャーショックだったみたい」
大塚 「そうそう」
友永 「DNYは見せたいものしか見せないでしょ。要するに見せるところだけ見せてあとはこう(ボカして)..」
田中 「スポットライト方式でしたね」
友永 「あれはカルチャーショックだったんじゃないかなぁ」
アヒル 「煉瓦の色なんて全然気が付かなかったい!(笑)」
八崎 「わかんないって」
 
〜エフェクトはこうするんだ!〜
   
Kei 「あの頃って、動画を全部社内でやってたのかな?」
Tom 「いや、外に少し出してた」
Michi 「ホームズは(スタッフを)二班に分けてなかった?」
田中 「うん、二班あった」
Michi 「一人あたり原画の枚数数えてみたら、俺なんか70〜80枚くらいはあったかな」
八崎 「友永さんと田中さんは枚数使いすぎるって宮崎さんに怒られてたじゃないですか」
  一同笑
田中 「怒られた覚えはないよ!?」
八崎 「回覧が回ってきて『黒パカ、白パカを使うな』とか『回転を使うな』とか『一コマを使うな』とか...」
田中 「そんな回覧回った?」
八崎 「ありましたよ、『銃を撃つシーンはこれでいいんだ』っていうマニュアル作られて」
友永 「あ〜、でもやってみないとわかんないからさあ〜(笑)」
田中 「それは友永さんがやって、わたしはぁ...」
八崎 「いやいや、田中さんと友永さんですよ」
友永 「いや〜〜(笑)わかんないからいろんなことやって...」
田中 「私はひとコマ使ってないよ!?」
八崎 「使ってましたよお〜〜〜!(笑)」
田中 「え〜?......でもそんな回覧まわったんですか?」
八崎 「回覧、ていうかマニュアルを作ったんですよね」 「小さな依頼人」より
箱が壊れる一瞬、透過光が!
友永 「あったっけね〜〜?」
田中 「あったんですか...」
八崎 「『黒コマとか炎を入れなくていい、煙が広がるだけでいいんだ』っていう」
田中 「記憶にない(笑)」  
八崎 「『三枚で消せ』とか、そんなのがあったんです」
友永 「いろんなエフェクトをやろうとしてグシャグシャになったことはある(笑)」
田中 「じゃあ友永さんのための!(笑)」  
     
〜キャラのモデルは誰だ!〜
   
田中 「楽屋落ちの話だけど...ホームズのトッドとスマイリーは友永さんと近藤さんじゃないですか」
大塚 「楽屋落ちでもいいんだけどね、ちゃんとエンターテイメントになってるじゃない。あれがわからなくても、友永さんと近ちゃん知らなくても、面白いでしょ」
田中 「モリアーティは宮崎さんなのかな?ハドソン夫人にあそこまで思い入れているから」
友永 「ハドソン夫人は誰だったのかな?」
八崎 「...難しい...(笑)」
友永 「離婚の話つくったじゃない。ハドソン夫人が笑って、モリアーティが若ければこの人に惚れてたろうなっていう...なんかそんな話つくってさ」
田中 「あの時点でハドソン夫人、19才だったもんね」
友永 「そうそうそう、俺『え〜〜〜?!』って思って(笑)」
八崎 「未亡人なのに、19才!」
田中 「ホームズのイメージボードを描いた時に宮崎さんの描くハドソン夫人だけが人間だったんですよね」
友永 「あ、そうだったの?はじめ人間だったの?」
田中 「人間でしたよ〜」
しょ 「ハドソン夫人が車に乗ってて、隣にホームズがいて、ホームズが真っ赤っかになって照れてる絵がありましたね」
八崎 「人間のハドソンさん、宮崎さんは結構押してましたよね」
田中 「押してた。絶対これがいいって。みんな『それは○○の域だからやめろ〜』って(笑)宮崎さん以外全員が反対してて...」 なんと19歳!?
友永 「作家と○○は紙一重じゃないすか」
一同笑
大塚 「生きている時のチャップリンやゴッホってあまりつきあいたくないと思うでしょう。(笑)ゴッホの生涯見たってうらやましくないでしょ。創作にのたうちまわるよね。宮さんは一寸そんなところがある」
しょ 「ハドソン夫人の..結局犬のキャラっていうのは誰が?」
田中 「近藤さんが創ったんじゃない?宮崎さんが創った?」
八崎 「どうでしょうね?イメージボードに出てましたっけ?」
田中 「イメージボードは犬じゃなかった(笑)」
八崎 「友永さんの描いたイメージボードは犬でしたよね」
大塚 「近ちゃんがまとめたんじゃないかな」
しょ 「犬のイメージボードと、そうでないイメージボードがあったんですよ」
田中 「たぶんね、宮崎さんのイメージボードは全部人間だと思うんですよハドソン夫人は。宮崎さんのイメージボードがあったあとに友永さんとかTさんとか丹内さんとか近藤さんがイメージボード描き始めたの」
八崎 「友永さんがイメージボード描いてた時は犬でした?」
友永 「ハドソン夫人は...たぶん犬のつもりで描いてたと思うけどな」
大塚 「僕はあの時なにやってたんだろう?みんながイメージボード描いているとき...ニモやってたのか」
田中 「あーそうかもしれないですね」
   
〜キャラには描いた人の特徴が現れる?〜
   
田中 「ホームズの時、原画やってなかった?パッチさん」
八崎 「ホームズの時はやってませんね」
友永 「4期生は動画だったんじゃない?」
八崎 「いや、ホームズの時に遠藤くんが」
友永 「ああ、遠藤くんは飛行機のやつ描いたんだよね。たしかあの、大塚さんのスチームカーのカットの続きをやってたかな。モリアーティの」
田中 「やってたやってた。なんか遠藤くんに似てたんだよね、ホームズが...妙に(笑)」
Tom 「自転車を(肘をはって)こういう乗り方をするんだよね(笑)」
八崎 「ショベルマシーンをこうやるときもそうなってました」
田中 「遠藤くんぽかったですね」
友永 「描く人の個性が出るんだね」
八崎 「友永さんのは全部友永さんですよ(笑)」 「ドーバー海峡の大空中戦」より。力走!
田中 「やっぱりあれは、友永さんが全部トッドのカットを描かなきゃいけなかったんですよ」
友永 「じゃスマイリーは近藤さん?」  
田中 「そう(笑)...はじめ気が付かなかったんですよ。みんな気が付いていたんですか?トッドが友永さんモデルだったなんて」
友永 「いや?知らない」
八崎 「だって、打ち合わせかなんかでみんなが話しているときに(コンテを見ながら)『ここに近藤さんと友永さんがいて、こうなります』って説明があったんですよ」
一同笑
友永 「そうなんだー。じゃ肖像権もらわなきゃ(笑)」
アヒル 「知らなかった。スマイリーは有名だったけど」
Tom 「どちらかというとスマイリーの方がしたたかだったよなあ」
八崎 「おいしいもん食ってたし(笑)」
田中 「なんか、ノタノタしながらもいいとこ全部とっていってましたよね(笑)」 左が友...いえ「トッド」です。
     
〜文化の違いが、こんなところで〜
   
Tom 「大塚さんが一話やった後、出向で行ったんですよね、『ゾロ』やりにね」
田中 「え?あぁ、『ゾロ』に行っちゃったんだ〜」
Michi 「友永さんの、これ(両手人差し指をなめた仕草をし、それぞれの指を耳に押し込んだあと、手を合わせて拝む)」
友永 「そうそう(笑)宗教上違うんだとかなんとか」
田中 「唾を耳の穴にこうやってやったら、外人はそういうことをしないんだっていうリテイクをくらったの」
大塚 「絶壁に農民が追われてね、向こうから馬に乗った誰かがくるのよ。十字切るじゃない、メキシコの農民って。(唾を耳に入れて拝むのは)こりゃおかしいって」
Michi 「あのとき大塚さんも、原画かいてましたよね」
大塚 「うん、すこし描いた」
八崎 「宮崎さんも描いてましたよね」
友永 「あ!ドント、ユーズ、ワイド、マウス!とかなんとか」
Tom 「でかい口使うなとか注意があったね」
田中 「それは『ゾロ』の話?」
友永 「『ゾロ』の話」
   
 
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