日本海沿岸などに1月中に漂着した廃ポリタンクは全国で1万2668個に上ることが9日、環境省のまとめで分かった。塩酸が入っていたタンクもあり、同省は安易に触らないよう注意を呼びかけている。
同省によると、廃ポリタンクの漂着が確認されたのは、沖縄県から北海道までの計18道府県。毎年1~3月に季節風などの影響で漂着するケースが多く、今年は1月5日に島根県益田市の海岸で約80個が発見されて以降、各地で確認されている。30日までに最も多く漂着しているのは、秋田県で2234個。次いで新潟県(2218個)、島根県(1833個)など。強酸性の液体、廃油が入っていたタンクもあったが、内容物による人への被害は確認されていない。
漂着したタンクの多くは20リットル用。ハングルで薬品名や会社名などを書いたラベルがあるものが3715個あった。薬品名は「過酸化水素」「硝酸」などだったが、内容物が異なる場合もあり、実際の用途や流出元などは不明だという。
昨年は過去最多の約4万3000個が漂着した。政府は今年2月6日、韓国政府と実務者協議を行い、漂着問題の原因究明、対策のために協力していくことを確認した。【大場あい】
毎日新聞 2009年2月9日 19時13分(最終更新 2月9日 19時16分)