お嬢様、お坊ちゃま、七月でございます。草摩でございます。
6番セカンド草摩でございます。
さて、本日は我々使用人一同大旦那様よりお暇を頂きました。休日でございます。
いきなりの休日というのも暇を持て余してしまいますね。何か面白いことでもございませんでしょうか。
おや、何やらあちらで鋒崎が何かしておりますね。こっそりと観察してみましょうか。
どうやら手品の練習のようでございますが・・・
おお! 右手から火を出しました。ファイヤーホコサキでございます。
おおっ! 今度は左手から鳩が出てまいりました。鳩を抱くホコサキでございます。(注:当家の絵画に「鳩を抱く少女」という絵画がございます。
そして燕尾服の中から鳥の丸焼きが登場いたしました。しかもそのまま食べております!!
これが自炊というものでございましょうか。さすが鋒崎。食えぬ男でございます。
そんな鋒崎を観察していた私のもとに宮本が走ってまいりました。
宮本「草摩さん、草摩さん、次亜塩素酸ってどこにありましたっけ?」
草摩「それなら地下の倉庫にあるかと。食器の漂白ですか? あれはまぜるな危険でございますので取り扱いには注意してくださいね」
宮本「あ、了解いたしました」
そのまま六法全書をバタつかせながら走っていく宮本。お屋敷は平和でございます。
そんな宮本を見ていた私のもとに出雲がやってまいりました。
出雲「みのるさん、みのるさん、どこですか? ・・・あぁいったいどこにいってしまったのやら」
草摩「どうかしたのですか?」
出雲「草摩さん みのるさんがどこにいったか知りませんか?」
草摩「ミ・ノール酸? …それなら倉庫にあるんじゃないですかね?」
出雲「本当ですか?いきなりいなくなってしまったので心配していたのですが、まさか倉庫にかくれんぼとは。なんと可愛らしいのでしょう」
そのままモンローウォークのような魅せる歩き方で去っていく出雲。お屋敷は平和でございます。
そんな出雲を見ていた私のもとに小山内がひょこっと現れました。
小山内「草摩くん、草摩くん、僕…伝説のキリンさんに会いたいんだ!」
草摩「…えっと希燐酸ですか? よく知りませんが倉庫じゃないですかね?」
小山内「ほんと? ちょっと行って来るね!」
間違いなくお屋敷は平和でございます。
さて、私もぼーっと突っ立っているわけにもいきませんので中庭にやってまいりました。
何やら中庭で熊が暴れておりますね。いや、否熊。あれは浅田でございますね。
浅田「なんでやねん! なんでやねん! なんでやねーん!!」
何やらへのへのもへじが書かれた人間と同じサイズのわら人形をひたすらたたいております。
一瞬この男ならホッキョクグマとサーベルタイガーを二体同時に相手をした響執事とまともにやりあえるのではないかなどと思ってしまいました。
草摩「というか何をしているのですか?」
浅田「あぁ草摩さん。人の道は芸の道でございます。今はつっこみの練習中でございます。なんでやねん!」
バシィ!と軽快な音が響いております。
浅田「ですが最近伸び悩んでおりまして…。やはり新たな芸を開発していかなくてはいけないと感じている次第でございます。草摩先輩。何か良い案はないでしょうか?」
草摩「そうですねぇ…。“さん”の付く単語でアホになってみるとか」
浅田「なるほど。他人の芸をインスパイアですね。いきます! さんどいっち! さんどいっち! どうですか?」
草摩「やめた方がいいですね」
浅田「なんでやねーーーーんっ!!!!」
バシィィッッ!!!!!
マイボディが6メートル程ふっ飛びました。
あー
ズシャァァァァッッッ!!!!!
草摩「あがががががっっ!!!」
高苗「大変だ。師匠(砂糖)が6メートルくらいふっ飛んだ!」
風見「どどどどうしよう。しかも地表との摩擦熱で草摩さん火だるまに!」
鋒崎「お、落ち着け皆。とりあえず水を持って来るんだ。私は鳩を草摩さんに乗せる!」
真田「なんでここ(草摩)で自炊してるんですか!鋒崎さんこそ落ち着いてください!」
浅田「すいませんすいません!」
薄れ逝く意識の中でそんな後輩達のやり取りを聞きました。
全身火傷は二時間で治りました。我無敵。回復力だけなら雑草並みでございます。
しかし、最近の新人は良い素材がごろごろでございます。私も負けないように頑張りませんと。
踏まれても踏まれても負けない雑草のような気持ちで頑張りたいと存じます。
雑草 雑草 THE・草摩
それでは本日はこの辺で。
お早いご帰宅をお待ちしております。
#2008年7月8日(火曜日)
草摩 さんの執事日誌を読む
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress