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ニッポンの屋台骨、総崩れ 自動車5社、営業赤字へ(1/2ページ)

2009年2月9日19時0分

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写真世界的な販売不振で自動車は総崩れ。3度目の業績下方修正を発表するトヨタ自動車の木下光男副社長(左)と立花貞司専務=東京都文京区、飯塚悟撮影

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 自動車大手10社の09年3月期の連結業績予想が9日出そろった。前期には計4兆7003億円の営業黒字をたたき出したが、今期は一転して計4160億円の赤字となり、業績急落が鮮明となった。トヨタ自動車や日産自動車など5社が営業赤字に転落する見通し。国内経済を引っ張ってきた自動車産業は「総崩れ」の様相を呈している。

 08年3月期の営業損益で2兆2703億円の黒字を計上し、過去最高益を更新した最大手のトヨタ。今期3度目の業績下方修正となり、4500億円の営業赤字に転落する見通し。「為替で円の独歩高が急激に進んだ。昨年末から北米、欧州、日本の主要市場は一段と厳しくなった」(トヨタの木下光男副社長)ためだ。

 ホンダは営業黒字を確保する見通しだが、今期に入ってから4度目となる業績の下方修正を行った。近藤広一副社長は「今年上半期は厳しい状況が続くだろう」と話す。

 急速な円高も業績悪化に拍車をかけた。対ドルの為替相場が1円円高に動くと年間で400億円の営業利益が吹っ飛ぶトヨタでは、円高が8900億円の減益要因となった。第4四半期(1〜3月)の対ドルでの為替レートを1ドル=85円に設定したホンダは「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう」(福井威夫社長)と先行きに強い警戒感を示す。

 世界的な販売不振で自動車業界では減産が拡大している。10社ベースでの08年度の減産規模は414万台以上に達した。ホンダ1社分の年間生産台数が消えた計算になる。トヨタは2〜3月に国内全12工場で計11日間の操業を停止し、国内生産台数は前年実績の半分程度になる見込みだ。「余分なものを造っても在庫がたまるだけ。それぐらい売れないんだから操業停止は仕方がない」(トヨタ幹部)

 減産にともない、非正社員の大幅な削減も加速。日産は昨年12月、国内の非正社員との契約を3月末までにすべて打ち切ると発表。ホンダ、スズキ、三菱自動車も生産現場の非正社員をゼロにする方針を打ち出している。10社の公表ベースで2万人以上の国内の非正社員が削減される。

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