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被告暴言で女性泣き出す 被害者参加制、二次被害の懸念浮き彫りに
このニュースのトピックス:刑事裁判
「おまえたちは呪(のろ)われるぞ。茶番、エセ裁判だ」−。被害者が法廷で直接質問できる「被害者参加制度」が適用された事件の初公判が9日、東京地裁(藤井俊郎裁判長)で開かれた。傷害罪に問われた無職の男(43)が公判中に大声で暴言を吐いて、被害女性が泣き出す一幕があった。被害者が法廷で二次被害に合う可能性が指摘される同制度の懸念が浮き彫りになった格好だ。
起訴状などによると、男は昨年11月、東京都世田谷区内の路上で、占いをしていた30代の女性の肩をつかんで引っ張り、顔などを殴り、約1週間のけがを負わせたとされる。男は起訴事実を大筋で認めた。
証人尋問で女性が出廷。男と顔を合わせないよう間仕切りが設置されるなか、「(事件は)ものすごく腹立たしい」と述べると、男が大声で騒ぎ出し、法廷が一時中断した。
次回公判では、女性による男への質問が予定されていたが、女性の弁護士は「今日の進行(トラブル)もあるので」とし、実施するかどうか明言を避けた。
公判を傍聴した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」代表幹事の岡村勲弁護士は、「(同様のトラブルが起きた場合でも)被害者は言いたいことを言ったほうが良い。被告の人間性が分かる効果もあるのでは」と話した。
女性は初公判に先立ち、慰謝料など約60万円の賠償を求めて損害賠償命令制度を申し立てている。