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■新型インフルへ基礎データ
2009.02.10
東北大大学院
石巻で受診状況調査/
 インフルエンザ流行シーズンに合わせ、東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁教授のグループが、外来患者を対象にした行動調査を石巻地方で実施している。患者アンケートなどによる行動調査は全国的にも珍しい。流行期の患者について、受診状況を明らかにするのが目的だ。基礎データを収集することにより、今後、新型インフルエンザが発生した場合の医療機関側の対応などに生かしていくことが期待される。

 調査は、県東部保健福祉事務所と合同で一週間の観察期間を設定し、このうち二日間で情報収集を実施している。

 対象(協力)病院は石巻赤十字病院のほか、石巻地方の小児科と内科が二カ所ずつ、耳鼻科と外科が各一カ所の計六カ所の診療所。

 インフルエンザの流行初期については、既に一月十九日から二十五日までに実施。約千二百人の外来受診者から回答を得たという。

 ピーク期となっている現在は、九日から十四日までの計画で、同じ七カ所の診療所を対象に、日程を調整して調査を始めた。流行終期(今月末)にも調査する。

 九日は石巻赤十字病院で調査を実施した。大学院関係者と県東部保健福祉事務所職員の計四人が内科、小児科、呼吸器科の外来受診者に質問票を配布。来院の手段や症状、待機場所・時間などについて、回答してもらった。

 診察室では、医師、看護師にインフルエンザに関する診療情報の記載を依頼した。同病院では十二日も同じ調査を実施するという。

 調査では(1)医療機関への受診率や受診者の性別・年齢階層(2)外来における人口密度の時間的推移?を明らかにする。

 集めたデータは、研究科で解析し、個人情報の保護をした上でデータベースを構築する。結果は県東部保健福祉事務所、データ収集に協力した医療機関と共有する。

 インフルエンザについては、外来患者の受診行動や医師による診療活動に関する基礎データはこれまで明らかになっていないという。

 調査に当たるグループの神垣太郎助教は「インフルエンザの流行期にどのような患者が来院し、一緒に診療を受けているのかを明らかにする研究。今回の調査は、新型インフルエンザ対策の医療体制に必要なデータになる」と話している。
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