古朝鮮と檀君王倹
―新石器時代に登場した「神の孫」檀君―
国定韓国初等学校社会科教科書
最初の国家古朝鮮
神の息子である桓雄と、熊が変身して人間になった熊女の間に生まれた檀君王倹はこの土地に最初の国家である古朝鮮をたてた。
古朝鮮は中国北東方面を中心にして、次第に韓半島までその勢力を広げていった。檀君王倹は「広く人間に利益をもたらす」弘益人間の精神で国を治めた。
古朝鮮にはいくつかの法があり、青銅と鉄製の武器も作った。今も江華島摩尼山には檀君王倹が天を祭った塹城壇があり、毎年この場所から全国体育大会の聖火を点火している。
トンウクは、わが国の歴史が深く、最初の国家である古朝鮮をたてた檀君王倹が神の孫であると言う事実を、大変誇らしく感じた。
国定韓国高等学校国史教科書
わ が 国 年 代 他 国 旧石器時代
新石器時代
(B.C.2333)古朝鮮の建国
青銅器時代
初期鉄器時代
(B.C.194)衛満の執権
(B.C.108)古朝鮮の滅亡70万年前
B.C.6000
B.C.2500
B.C.2300
B.C.2200
B.C.1000
B.C.300
B.C.200
B.C.100北京原人
仰韶、縄文文化
龍山文化
夏
殷
周
(B.C.202)漢の建国
韓国の初等学校(日本の小学校にあたる)社会科教科書は、児童に親しみやすくするために様々な工夫が為されており、ここでは祖父と孫の対話という形式で記述されている。(トンウクは孫の名前)
ここで問題なのは、檀君の話が「神話」であることを明示しておらず、しかも「わが国の歴史が深く、最初の国家である古朝鮮をたてた檀君王倹が神の孫であるという事実を大変誇らしく感じた。」などと言わせていることである。
私自身は、歴史教科書に建国神話を載せることは否定しない。ただしその場合には神話であることを明記し、「昔の人は国の始まりについてどのように考えていたのか」を知る材料として用いるべきである。上記の内容は論外であり、時代錯誤も甚だしいと言える。このような記載が許されるのなら、日本の教科書に「わが国は万世一系の皇統を有し、天照大神の子孫である天皇を戴く『神の国』である事実を大変誇らしく感じた。」などと書かれても文句は言えないだろう。