任天堂神話の陰に徹底した現実志向主義あり
最近、「われわれも任天堂(のゲーム)のようなものを開発できないのか」という李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言が話題を呼んでいる。昨年、売上高1兆8200億円、営業利益5300億円を計上した任天堂の成功の秘訣は何なのか。多くの人々は任天堂というと、付属のタッチペンを使い、直感的なプレイを楽しむ携帯型ゲーム機のニンテンドーDSなど、新たなものを開発する「革新性」を思い浮かべる。だが任天堂は、恐ろしいほど「現実志向的」な会社だ。
ソニーとマイクロソフトはゲーム機を開発する際、最高の技術を動員する。これらは、製造原価よりもハードウェアを安く売り、ソフトウェアで儲ける戦略を取っている。
しかし任天堂は違う。ニンテンドーDSが2004年に登場した際、人々は新たな操作方式に称賛を送りつつも、「画面が暗くて小さい」「デザインが格好悪い」と非難した。任天堂がコストを下げるため、一昔前の部品を使用したからだ。販売価格も原価より高く設定した。
任天堂はその1年後、ニンテンドーDSが予想外の人気を集めると、明るい画面とスマートなデザインのニンテンドーDSライトを発売した。ニンテンドーDSのユーザーらは、「問題点をカバーした製品があまりにも早く出た」と不満を漏らしつつも、新製品を真っ先に購入した。任天堂のこうした現実志向主義は、1889年に花札を販売する会社としてスタートした同社が玩具や飲食、射撃場など数々の新規事業で失敗を重ねた経験から得たものだ。つまり、「したいこと」と「できること」を区分しなければならないという教訓だ。同社の岩田聡社長は本紙とのインタビューで、「わたしもエンジニア出身なのでハイテク技術は好きだが、ユーザーに受け入れられない高性能は無用」と話している。言い換えれば、「適当な水準の革新」を示し、徹底的に現実と妥協する戦略こそが任天堂の成功の秘訣といえる。
チョン・ジンヨン記者
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