みなさん、未来世紀という世界をご存知でしょうか?
この世界、地球は環境汚染が進み大地が荒廃してしまった世界です。
そんな環境の中で人々が生きるには、あまりにも適さない世界です。
その中、生き抜くために人々は考えました。
ここが住めない世界ならば、新しい大地を求めるしかありません。
そして考えたすえ、スペースコロニーを建設しました。
スペースコロニー……その名のとおり、その移住地を宇宙に移したのです。
そのコロニーの姿も、ネオジャパン、ネオアメリカなど、以前の自分達の母国を象徴する形となりました。
ですが、何もすべての人がコロニーに移れるというわけではありません。
コロニーに移れるのは、ほんの一握りの人のみでした。
そして地球では、自分達もコロニーに上がりたいと、コロニー行きのチケットを求め、暴動などが起こりました。
勿論、その間でも世界観のにらみ合いが起こり、新たな戦争に発展しようとしていました。
ですが!(ぐっとマイクを握る)その全面戦争を避ける画期的なものが実現したのです!
それこそがガンダムファイト!!
ガンダムファイト。それはデューサー教授が提唱したもの。
地球をリングとして、コロニー国家が世界の主導権を賭け、自らの国家を代表するモビルファイター、通称「ガンダム」を使い、
勝った国が主導権を握るという、実に平和的なものです。
そのルールは簡単です。
様々な大会規定がありますが、その規定にのっとり、予選、決勝大会を戦って!戦って!!戦い抜いて!!!
見事勝ち抜いた者がガンダム・ザ・ガンダムの栄光にたどり着き、世界の主導権を握る事になります。
それだけではありません。
その「ガンダム」を操る「ガンダムファイター」にも、様々な恩恵を授かる事となります。
ガンダムファイトは4年に一度行われます。
そしてこの未来世紀60年。第13回になるガンダムファイトが今年行われる事になります。
ですが、今大会は少し様子が今までと違うようです。
ガンダムファイト開催前に、コロニー国家の一つである「ネオジャパン」から、何かが地球に落ちたのです。
それだけではありません。
今回のガンダムファイト。全大会から新たに一つの国家が参戦することが決定しました。
その国家の名はミッドチルダ。
ですが、そのミッドチルダはこの世界の地球国家でも、コロニー国家にも確認されていないのです。
なんと、ミッドチルダは、我々とは別の次元から来たというではありませんか。
今回のガンダムファイト、今までよりも激しさが増していきそうです。
さて、長い前置きはここまでにして……(さっと立ち上がる。
「それでは!!(ガバっとスーツを投げ捨てる)第13回、ガンダムファイト!レディィ……ゴー!!」
少女はたった、荒廃した大地に。
そしてそれを見て悲しむ。
なぜ、これほどまでに世界は荒れているのだろうか。
この世界では未だに時空管理局が手を出すほどの時空犯罪者はいない。
だが、それでも管理局がこの世界を管轄化に加えようとする気持ちは、彼女には痛いほど理解できた。
それが、管理局的に工夫はしたが、管轄内では禁止されている「質量兵器」にかなり近いものを使ってでも……
少女は、管理局員の全ての期待を受けてここにいる。
それだけではない。
優勝したガンダムファイターには、政府から一つだけ望みを叶えてくれるという。
「私がやらなきゃいけないんだ」
自分が勝つしかない。
この荒れ果てた大地のためにも。
何より、自分達の姉妹の自由を得るためにも。
そのために彼女はこの大地にいる。
「スバル、そろそろなのはさんとギンガさんが訓練を始めるって言ってるわよ」
その時、後ろからオレンジ色の女性の声が聞こえた。
彼女とは昔からの付き合いだが、こうして会うのはあの時以来か……
「わかったよティア~。すぐに行く~」
管理局を代表するガンダムファイター。
それは、およそ2年前の「J・S事件」では前線で活躍し、あのエース・オブ・エースと呼ばれる教導官じきじきの教え子で、
現在はAAランク(これが終われば、AAAを受ける予定)のランクを持つスバル・ナカジマであった。
「頑張らなきゃ。ね、相棒」
そう言って、スバルは全長約17メートル程にも及ぶ新たな相棒を見る。
スバルはこの地に立ち、様々な人、事件と出会い、彼女にとっては忘れなれない1年となる。
「魔道武戦伝Gスバル 第一話 G(ガンダム)ファイト開始!地球に下りたガンダム達にレディィ……今までのはフェイントだぜ!!」