ＮＨＫアナ、冬の時代到来か

●ギャラもプライドも高く、年齢もネック

“ＮＨＫ最後の大物”はこれからどうするのか。

　歴史情報番組「その時歴史が動いた」（ＮＨＫ）のレギュラー司会を務める松平定知（６４）である。

　松平は０７年１１月末にＮＨＫとの嘱託契約満了後も番組を担当してきたが、３月いっぱいで終了することになり、職を失う。

　同番組は００年から９年間続いた長寿番組で、かつてはコンスタントに２ケタの視聴率をマークする人気を誇っていただけに、戸惑いは隠せないだろう。現在、松平が出演しているレギュラー番組は「歴史」一本のみ。ほかは古巣の「ＮＨＫスペシャル」や「シリーズ世界遺産１００」でナレーションを担当しているくらいである。

　なぜ、松平には次の声がかからないのか。ネックになっているのは高額なギャラだ。

「松平のギャラはゴールデン・プライム帯の番組なら１年間で最低５０００万円からといわれています。フリーになった時から各局の『歴史特番』で声がかかるのではないかとみられていましたが、いまだに実現していないのはそれが理由だし、各局とも制作費を大幅カットしている状況だからタイミングが最悪。松平はプライドが高く、ダンピングにも応じないでしょうし……」（テレビ関係者）

　年齢的には６０代のキャスターがテレビ局のリストラ対象になっている時だけに、松平にとってはつらい。

　松平がフリー転身後に所属している「ことばの杜」も、マネジメントが本業ではないから民放との交渉もスムーズにいかないようだ。松平と同じく元ＮＨＫの看板アナだった宮本隆治も所属しているが、現在は「モクスペ」（日本テレビ）の不定期レギュラーしかない状態である。

　ＮＨＫ退社後の松平は積極的に各地で講演活動をしていて、昨年後期からは立教大大学院の客員教授として講義も行っている。テレビではなく、そちらで稼ぐしかないか。

（日刊ゲンダイ2009年1月20日掲載）