【バンコク=山本大輔】タイ政府は18日までに、タイ海軍が同国南部のアンダマン海で、ボートに乗ってミャンマー(ビルマ)から逃れてきたイスラム系少数民族のロヒンギャ族の難民を縛るなどして拘束したうえで放置したなどとする人権団体の訴えについて調査を始めた。タイ英字紙バンコク・ポストなどが同日、伝えた。
同紙が報じた人権団体の話によると、タイ海軍は、昨年11月末から12月にかけてミャンマー国境に近いタイ南部へ海から侵入しようとしたロヒンギャ族難民の手を縛るなどして周辺の小島で数日間拘束した後、入国を認めず再び船に戻した。難民は約千人に及び、うち数百人の行方が分からなくなっているという。
名指しされた海軍は「事実と異なる」と否定。外務省は17日、調査の開始を明らかにしたが、「不法移民については人権に配慮しながら国内法に基づき対処している」などとする声明を出した。