実は、自然物を描くのは、建物や部屋の中を描くことより難しいのです。覚える順番では、メカの方を先にしてもいいくらいでした。でも、背景のエッセンスを文章にしてわかってもらうには、こちらからの方が良いかと思いました。
ここまで読んでいただいても、自然物が描けるようになっている訳ではないと思います。プロとして数年間、毎日背景を描いている人でも、自然物が苦手な場合もあります。また、描けてると自分では思っていても、うまい人から見れば描けていないプロの人もいます。プロでさえ、そうなのですから、時間のないアマチュアの方には、絵を描くことは大変なことです。
私(筆者)も、自分のことは棚に上げないと、うまい人からどう思われているかを考え、怖くて文章が書けなくなります。井の中の蛙で、怖いもの知らずでいられるほど、若いわけではありませんから、いろいろな分野の絵を見てきましたし、多少の経験も積んできました。それで時々、「自分は全然描けていないんじゃないか」と落ち込みます。でも、絵の仕事を続けているのは、やはり絵を描くことが好きだからなのでしょう。(ほかの仕事ができないから、と言う意見もありますが。)
好きこそものの上手なれ、です。上を見て向上心があるからこそ、落ち込むのだと思います。すぐには描けないかもしれませんが、がんばっていきましょう。
では、次はメカの描き方の話に入りましょう。メカが好きでないかたも、くっきり、キチンとした絵を描く練習だと思って、おつきあいください。
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