FLStudio7:DirectWaveの使い方(WAVEファイルを読み込む)
投稿日:2008-01-15 Tue
FL Studio 7 XXL Editionのボックス版には、DVD「FL STUDIO SAMPLE DISK」が付いています。このディスクをインストールすると次のフォルダが追加されます。
これらのフォルダにはWAVEファイル形式のサンプル音が入っています。残念ながらDirectWaveのプリセットファイル(DWPファイル)は入っていませんが、少々手間をかければDirectWaveに読み込み、再生することができます。
今回は、DirectWaveにWAVEファイルを読み込む方法を紹介します。
■ 単一のWAVEファイルを読み込む
(1) WAVEファイルを読み込む
Packs\Extra samples\Pack\Basic\Bassesフォルダになかなか良い(というか無難な)ベース音が入っていますので、これを読み込んでみましょう。
ブラウザからDirectWaveへCoolBase.wavファイルをドラッグアンドドロップします。
WAVEファイルが読み込まれました。
(2) ルートキーを設定する
次にルートキーを設定します。(ルートキーの意味はこちらの記事を参照)
鍵盤の真ん中のドの音が赤くなっているはずです。これが、今読み込んだWAVEファイルのルートキーを示しています。WAVEファイルにルートキーが設定されていない場合、DirectWaveはC4を自動設定するので、表示されているルートキーが正しいとは限りません。元のWAVEファイルを演奏して音階を判断し、鍵盤を右クリックしてルートキーを変更します。
ルートキーを自分で判断できない場合、または面倒な場合は、DirectWaveに自動判定してもらいましょう。
画面を右クリックして、[Find Pitch Root]メニューを選択します。
音階の判定結果が表示されます。[OK]ボタンを押します。
判定結果が自動的に設定されます。
元のベース音のチューニングは(多分)狂ってないでしょうから、ファインチューニングの値 -03 を0に戻しておきましょうか。音色や奏法によって自動判定結果に誤差が生じてしまうようなので、私はファインチューニング値を0に戻すことにしています。
ルートキーの設定が終わったら音階が狂っていないか確かめてください。
Sytrus等のシンセの音階と比べると確実ですね。
(3) ループの設定
演奏してみると音が短かすぎて使い勝手が悪いですね。ループを設定して音の長さを確保しましょうか。(ループの意味はこちらの記事を参照)
[SAMPLE]タブを開きます。
ズームインボタンを押して波形を拡大します。
サンプルの真ん中〜2/3あたりをクリックして点線を表示します。
右クリックして[Loop]-[Find Optimal Loop]メニューを選択します。
ループが自動設定されます。
演奏して、音に違和感がないことを確認します。
プチプチ音(クリックノイズ)が混ざる場合、ループの自動設定が失敗しています。点線の位置を変更し、再度メニューを実行してください。
それでも上手くいかない場合は、波形を拡大して手動で始点と終点を設定します。設定のコツは次のとおりです。
・演奏しながらループを変更する(結果がすぐにわかる)
・波形が中央の線と交差する点(ゼロクロスポイント)を選択する
・始点と終点の波形の形状が自然に繋がるようにする
・波形の形を見渡して、同じパターンの繰り返しを見つける
(4) ゾーン名の変更
ゾーン名にルートキー名称を追加しておきましょう。後で編集する際、分かりやすいです。
■ 単一のWAVEファイルを読み込む(2)
プログラムを002に切り替えて、別の音を追加で読み込みます。
(1) WAVEファイルを読み込む
今度はFinger.wavを読み込んでみます。
エラーが表示されてしまいました。
とりあえず、作成された空のゾーンを削除します。
(2) EdisonでWAVEファイルを保存しなおす
WAVEファイルがDirectWaveで読み込めない場合、EdisonでWAVEファイルを保存しなおせば読み込めるようになります。
Finger.wavをEdisonにドラッグアンドドロップします。
[Save sample as]メニューでWAVEファイルを保存します。
Edisonで保存したWAVEファイルをDirectWaveにドラッグアンドドロップします。
ルートキーを自動判定します。
ゾーン名とプログラム名を設定します。ファインチューニングを0にします。
ループを設定します。
演奏してみると随分音が小さいです。波形を見ると山の大きさが小さいですね。
波形のエリアをダブルクリックして波形全体を選択し、[Process]-[Normalize]メニューを選択します。
音が大きくなりました。
ノーマライズすることで歪まないギリギリのところまで音量を大きくすることができます。
■ 音色を保存する
ここまでの操作で、CoolBassとFinger Bassの2つの音色が作成できました。
せっかく頑張って作ったのですから、ファイルに保存していつでも使えるようにしましょう。
今回はWAVEファイルに対して手を加えましたので(ノーマライズ)、プロジェクトやFL Studioプリセット(FST)に保存するだけでは不十分です(WAVEファイルが保存されないため)。
WAVEファイルとDirectWaveの設定をセットで保存する2つの方法を紹介します。
(1) 1つの音色を保存する(DWPファイル)
保存するプログラムを選択します。
[FILE]ボタンをクリックし、[Save Program As]メニューを選択します。
ファイルの保存画面が表示されます。
保存先のフォルダへ移動し、ファイル名を指定して[保存]ボタンを押します。
画面が開いたときファイル名の先頭に「¥」が付いています。「¥」を削除しないと、フォルダの指定を無視してルートフォルダに保存されてしまいますので注意してください。
保存されたファイルを見て見ましょう。
DWPファイルと、同名のサブフォルダに格納されたWAVEファイルがセットになっているのが分かります。
(2) 複数の音色を保存する(DWBファイル)
[FILE]ボタンをクリックし、[Save Bank As]メニューを選択します。
ファイルの保存画面が表示されます。
保存先のフォルダへ移動し、ファイル名を指定して[保存]ボタンを押します。
保存されたファイルを見て見ましょう。
全ての音色がDWBファイル1つにまとめて保存されているのが分かります。
■ DWBファイル(DirectWave Bankファイル)の注意事項
これはおそらくバグ(というか仕様不良)だと思うのですが、FL StudioのブラウザではDWBファイルが表示されません。
ですので、なるべくDWPファイルの形式で保存したほうが良いと思います。
どうしてもDWBファイルを使いたい場合は、エクスプローラでDWBファイルを探してください。
以上
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