韓国スキー合宿誘致 大滑り 秋田秋田県が誘致を進めていた韓国の小中学生のスキー合宿が2件にとどまり、今季の事業が早くも打ち切られた。竹島(韓国名・独島)問題と急激な円高・ウォン安が低迷の原因とみられる。誘致できたのは約50人と、目標(500人)の10分の1。県観光課は「将来を見据えて営業活動を続けたい」と来季以降に期待をつないでいる。事業は田沢湖スキー場(仙北市)に韓国の小中学生を呼び込み、秋田―ソウル線の利用促進を図る狙い。県は昨年6月、約246万円を予算化した。 ところが翌7月、新学習指導要領の解説書に「竹島」が明記される問題が起き、韓国で反日感情が高まったことから学校単位の誘致を断念。民間のスキー学校への働き掛けに切り替えたが、秋以降は世界同時不況に伴う円高・ウォン安に見舞われた。 県観光課は「昨冬に比べて円が2倍近く高い。韓国も不景気が深刻で、秋田まで気軽にスキー合宿に行ける状況ではなくなった」と落胆する。 同課によると、韓国にはスキー場が十数カ所しかないため、日本の人気は高いという。国内のスキー客減少に悩む東北各県も韓国からの誘致に力を入れ、国際観光振興機構の調査では、昨冬の韓国人スキー客は山形3501人、岩手1463人、福島1105人に上った。 秋田はスキー場近くに娯楽施設を備えたリゾートホテルがないことが弱みで、386人にとどまる。事業は「弱点を逆手に取り、純粋にスキーをしたい子どもたちを呼ぼう」というアイデアだったが、竹島とウォン安の前に、あえなく空振りに終わった格好だ。 保坂龍弥・韓国交流推進監は「竹島問題もウォン安も一段落する時期まで我慢して待ちたい」と話している。
2009年02月07日土曜日
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