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【社会】

神田川 舟でゆらり NPO計画 「儒学ルート」観光名所に

2009年2月6日 13時52分

小石川後楽園から湯島聖堂を結ぶ約二キロのコース「儒学ルート」

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 東京都文京区の小石川後楽園から湯島聖堂を結ぶ神田川に、和舟を走らせよう−。地元の特定非営利活動法人(NPO法人)が、そんな計画の実現に向け動き始めた。「儒学と水 オープンミュージアム事業」。ゆったりとした“船旅”の江戸観光を楽しんでもらおうという構想だ。 (丹治早智子)

 国の特別史跡・特別名勝「小石川後楽園」は江戸時代、水戸徳川家の庭園として明の儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)の意見を採り入れ、造園された。一方、「湯島聖堂」は、五代将軍綱吉が儒学の振興を図るために創建した。

 ともに、儒学に関係があることから、NPO法人「小石川後楽園庭園保存会」(清水馨八郎会長)は、両拠点を結ぶ約二キロのコースを「儒学ルート」と命名。文学散歩ルートとして観光案内に加えるよう文京区や都に働き掛けてきた。

 今回の構想は、この「儒学ルート」を、「神田川の自然美を楽しみながら、舟でゆったりと往来してもらう」(同会)のが狙い。大手建設会社「大成建設」の設けた基金の対象事業にも採用され、研究費用の交付を受けた。住民や学者、行政などでつくる委員会を発足させており、実現に向けた具体案の検討に取り組む。

 同会理事で建築家の猪狩達夫さん(73)は、「隅田川など、川が東京の貴重な観光資源として見直されている今、神田川でも定期的に船を走らせ、周辺の歴史遺産とともに、新たな観光スポットとして紹介していきたい」と話している。

 構想を紹介するパネル展が台東区の上野公園内、東京パークスギャラリー上野で開かれている。八日まで。入場無料。問い合わせは同会の末正明理事長=電03(3811)0755=へ。

(東京新聞)

 

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