【晋州(韓国南部)7日神屋由紀子】国外居住を理由に被爆者援護の対象外となり、精神的苦痛を受けたとして在韓被爆者が国に慰謝料を求めている集団訴訟で、新たに300人が3月にも長崎地裁に提訴することになり、提訴予定者に対する弁護士の聞き取り調査が7日、韓国晋州市であった。
厚生労働省は昨年8月、出国を理由に健康管理手当を受給できなくなった在外被爆者に対し、裁判所の事実認定を条件に1人120万円の慰謝料などを国が支払うと決定。裁判はこれを受けたもので、第1陣388人が昨年12月、長崎、広島、大阪の3地裁に提訴した。
今回、8日までの2日間で晋州市など慶尚南道と釜山市の計300人を調査した上で、3月にも長崎地裁へ提訴する予定。
この日は、広島市などの弁護士4人や在外被爆者支援連絡会(長崎市)の平野伸人共同代表が面談。手当打ち切りの根拠となった国の通達が2003年まで存続していたことから、弁護士が「手当をもっと早くもらいたかったか」などと質問すると、被爆者は「長い間受けられずつらかった」と訴えた。
=2009/02/08付 西日本新聞朝刊=