動物愛護団体ARK-ANGELS 代表ブログ「ずばり一言!」

福岡県太宰府市の繁殖場崩壊事件



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2月5日、緊急事態との連絡が福岡県太宰府市の方から一報が入った。
繁殖業者の施設に所用があり訪問したところ、家屋内にて犬の屍骸がそこらじゅうに散乱しているというのだ。
第一発見者は同業者の人で、即、JKC福岡県連会長と当団体に連絡をした。
会長は警察に通報し、同時に当団体にもレスキュー依頼が着たのでした。
前回の福岡県での51頭レスキュー時に相談された経緯からの依頼です。

JKC内部でも繁殖業界での劣悪施設をもつ業者の摘発、或いは業界内での自浄努力を案じていた最中の出来事でした。
JKCと相談の上、急遽、私は福岡に飛び、現場へと入りました。
丁度、福岡県警と筑紫市保健所とが合同で現場検証の最中でした。
動物愛護推進計画が遂行される本年、最初の事件とあって県警の特捜が動きました。
制服以外の私服警官も出動し総勢20数人が現場での検証に入っていたのです。
立ち入り禁止のテープが張られている中、私は第一発見者、JKCの理事と打ち合わせをしながら現場を検証しました。

酷いものでした。
屍骸は23頭、生き残った犬は29頭。
死因はおそらく全頭、餓死。
それ以外に死んだ犬は一箇所に集められて灯油をかけられ焼却されていた。
骨だけが無残にも多数、横たわっていた。
明らかに大型犬の骨だった。十数頭分はあったろう。
その焼かれた骨の下には無数の骨が散乱していた。
頭数などは不明だが数えられないほどの頭数に違いない。

ひろしまドッグパーク事件では屍骸を掘り起こしたが、今回はそれに匹敵するだろう。
そこらじゅうに散乱していた屍骸の状態は目を覆う。

幸いにもそんな悲惨な現場でも生き残っていた子たちがいたのだ。
しかし、全頭は生きる目をなくし、絶望的な目で私たちを見ていた。
身体は全頭、憔悴し痩創状態であった。
毛玉は酷く、糞尿と被毛で固まり歩行困難状態。
爪の狼爪は伸びすぎて、円を描いている。
その他の爪も伸びすぎて歩けない。

頭数こそ広島DPより少ないが悲惨さはそれをも凌ぐ。

あまりの悲惨さに声も出ない。
ショッキング過ぎる現場でした。

福岡県警、保健所立会いでの現場検証の最中、繁殖業者のオーナーと話し合い、生き残った犬たちの保護を決め、所有犬の放棄同意を取った。
生存していた犬たちは証拠物件として警察の管轄下にあるが、検証が終われば団体が保護する運びである。
事件発覚後、福岡県内の当団体支援者に応援を求め、現場入りして頂き、現場で数人が待機してくれていた。
検証後、保護犬たちの世話に入った。
給餌、給水をし、死体の運び出し作業、清掃である。
数年間の糞尿の多さには、とてもじゃないが、数日では処理できる量ではなかった。
犬もかなり衰弱しているし一度には餌も与えられないのだ。

いろんな酷い現場を見てきている私でも、今回の現場は、一口では語れないほどの悲惨な現場と言える。
繁殖をしている人間性を疑う行為である事だけは、確かな事実ではある。
どういう神経をしていれば、ここまでの状態にできるのか、である。

本年から「動物虐待監視委員会」を創設し繁殖業界を監視すべく心つもりをしていたが、いきなりのこの事件である。
度肝を抜かれた感がある。
JKC本部には「動物虐待監視委員会」の趣旨を説明したところであったが、返答はないままJKC福岡県連よりの依頼で驚いたほどだからだ。
今後は、こういった劣悪環境を持つ業者には入会を断り、会員であれば除名処分、そして犬の血統書の発行を止める。
こういった指導も強化していくとの話もあった。

このたびの事件は警察も保健所も徹底して動物愛護法にて検挙する考えでいることも表明されているので、当団体も行政と同時告発或いは単独告発をする意志があることを警察に伝えている。
二度と同様の事件を起こさせない歯止めは必要である。

保護した子たちは、現地で治療をしています。
毎日、ボランティアさんたちがお世話をしています。
本日は地元動物病院の獣医師により全頭の診察、血液検査等を終え医師の判断により緊急入院させた子もいました。

地元ではこの事件を大きくとらえ社会面トップで報じました。
連日のマスコミ取材も多く、各紙面を賑わせています。
一部、全国紙でも報じられたそうでした。

動物愛護が謳われている最中に、このような悲惨な現実が起こっていたのです。

全頭レスキューは成功しましたが、これからが本番で大変なのです。
情報は逐一、HPにてお知らせいたします。

生き残った犬たちへのご支援を、
全国の皆様のご協力を、この場を借りてお願い申し上げます。


ご協力をお願い致します。
緊急!!福岡レスキュー援助金募集のお願い

動物虐待監視委員会入会申込書

レスキュー基金

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