仙台2施設「自立」ゼロ ひかりあれ東北

 仙台市のアルコール依存症者更生施設「ひかりあれ東北」(若林区)と「ひかりあれ東北青葉」(青葉区)の入所者通帳管理問題で、両施設が開所した2007年10月以降、計60人を超す入所者のうち市から「自立した」と認定された人は1人もいないことが6日、分かった。

 市は入所者に生活保護費を給付し、依存症から抜け出て自立すれば給付を廃止する。立ち直りとは逆に、施設から失踪(しっそう)するなどした人も廃止する。

 市が給付を廃止した入所者は14人に上る。内訳は失踪が9人、親類宅などへの転出が5人。自立とみなされた人はゼロで、両施設が更生施設として機能していない可能性がある。

 転出者5人のうち4人は転出先に到着する前に行方が分からなくなり、市が所在を確認しているのは1人にとどまる。

 元入居者の60代の男性は「自立しようとしても施設から止められるので無断で逃げ出した」と証言している。

 那覇市は07年、市内の「ひかりあれ琉球」などの関連施設側に対し「入所者の自立につながっていない」などとして行政指導している。

 若林区保健福祉センターは「開所してまだ1年数カ月間で、施設運営の適否は現時点で判断できない」と言う。青葉区保健福祉センターは「同種の施設でも自立につながるケースは少ない。失踪が多いとも考えていない」と話している。

 ひかりあれ東北青葉の関係者は「ノーコメント」としている。
2009年02月07日土曜日

宮城

社会



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