JA静岡厚生連が運営する清水厚生病院(静岡市清水区庵原町)は、一般病床363床の55%を特別養護老人ホームに転用する方針を決めた。4月から段階的に進める。医師が減り、受け入れ患者数も減ったため、空きベッドを利用する。厚生連運営の病院に特養を設置するのは全国初という。
同病院によると、常勤医は05年に45人いたが、派遣元大学の引き揚げなどで現在は26人に減少。4月以降は15人に減る。
このため、今月から皮膚科は週2回の外来診療になった。4月からは産婦人科が分娩(ぶんべん)の取り扱いをやめ週1回の外来診療、脳神経外科も週3回の外来診療だけになる。いずれも非常勤医師が担当し医療体制の縮小を余儀なくされる。
医師の減少に伴い、受け入れ可能な入院患者数も減った。6階の104床はすべて空き、5階の98床も半分程度しか使われていない。今後も医師数が戻る可能性は低いため、今年4月と来年4月の2回に分け、5、6階の計202床分を122床の特養に転用。1人当たりの空間を広げ、車いすが円滑に出入りできるよう改修する。
同病院の事業収益は05年度まで年約70億円あったが、08年度は50億円を下回る見通し。同病院は「医師難で患者数が減り、民間病院は赤字経営を強いられている。職員の雇用を守り、地域医療に貢献するため、特養への転用を判断した」と説明している。
静岡市の特養入所待機者数は08年4月時点で2010人。特養を設置できるのは従来、自治体や社会福祉法人だけだったが、07年12月の老人福祉法改正でJA厚生連も可能になった。【望月和美】
毎日新聞 2009年2月8日 地方版