桜井淳所長から東大大学院人文社会系研究科のH先生への質問 -神学研究の方法 3-
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おそらく、先生も経験していることかもしれませんが、欧米の交通機関の中では、たとえ、キリスト教とかの本を読んでいても、ごく普通のことであって、誰ひとり気にもしなければ、顔つきにも、態度にも表しません。日本でも東京であれば、あるいは、欧米と同じかもしれませんが、地方では、そうは行かず、大部分のひとたちが違和感を露骨に表現し、中には、「頭がおかしいのではないか」と揶揄してきます。私も電車の中で神学の教科書や文献を読んでいた時に、そのような揶揄の言葉を投げかけられ、あまりにも大きな無知に深く失望させられたことがありました。日本では、神道・キリスト教・仏教の信者のうち、キリスト教の信者は、わずか1.5%にすぎず(本欄バックナンバー参照)、日本の歴史的経緯と教育方針からして、世界でも希な現象、すなわち、増えも減りもしないようです。
天照大神は日本神話の世界です。世界にも同様の神話は存在しています。ユダヤ教のヤハウェやヒンドゥー教のヴィシュヌ等、イスラーム教のアッラーは、神話の中の神の存在であって、ユダヤ教のモーセ、仏教の釈尊(お釈迦様)、イスラーム教のムハマンドは、歴史的に実証されている預言者です。キリスト教のイエスは、神であり、預言者なのです。ユダヤ教は、旧約聖書だけでなく、キリスト教の新約聖書の礎となり、なおかつ、その後も、独自の民族宗教として、世界で特有の存在感を示しつつ、今日に至っています。まさに、強烈であり、強いインパクトを受けます。
これまでのやり取りと認識から、神学研究の構造は、つぎのような"ピラミッド構造"になっているように思えます。研究に必要な基本的な教科書と文献を購入し、このような体系化を進めたいと考えています。
----------専攻している神学---------
----------神学や宗教学の哲学------
-----比較宗教学としてのユダヤ教----
-----比較宗教学としてのヒンドゥー教--
-----比較宗教学としての仏教--------
-----比較宗教学としてのイスラーム教-
--------旧約聖書と新約聖書---------
----歴史学、一般哲学、社会科学等----
------ヘブライ語やギリシャ語等-------
桜井淳